最近EVがどうのと書いて 日本の自動車産業が置いて行かれるとの論を唱えている専門家が未だにいることに驚く。正直 現在バッテリー原料のリチウム価格がうなぎ上りで、どうしようもない高価格で安定しそうである。バッテリーを自動車生産に合わせて生産したくとも、主たる資源のリチウムが不足・価格高騰しているのでムリが出ている。

簡単に車の価格で言えば・・・百万円は価格アップするほどである。

一元的な見方をしている方の多くが、陥り易いポケットに落ち込んでいると思われる。このような物事を大所高所から評価するには、自動車の事、電気の事、資源のことなど多方面からの見識・知識・知見が求められる。仮定・仮決めが多いご意見は 正直ウザったい。もちろんご本人がある種の確信を持っているらしいが、それが仮定・仮決めの状態に立脚していることに気付いてない場合が多い。世の中には 難儀な方が多い。

こういうときに思い出すのは、えらい人が 部下など皆が話した後・・バットオルソー的に話すのにも似ている。まあ おじさんは大人なので「修行が足らない」と一言で済ませておく。

リチウム生産

地球的資源量では大丈夫なはずであるが、資源が偏在している。南米とオーストラリアそして中国が生産地である。オーストラリアと中国は鉱石から採取する。ここまで書けばなぜ鉱石から取らない事情は幾分お分かりと思うが、環境への負荷が大きく 廃鉱石の処分に困る。

南米は鉱石などではなく高濃度の塩湖から採取する。そのため濃縮は塩の取れる塩田と同じで天日乾燥となる。乾燥強風高原地帯と条件はそろっているが・・政情不安な南米国家でのお天気任せが現実である。従って急に増産することも出来ない。

従来のパソコン程度への使用なら問題なく供給出来るが、その200倍近くの量を必要とする自動車用バッテリーでは生産が間に合わない。中国企業はバッテリーもシェア命と一気に畳み込むように規模を拡大してきたが・・資源不足の袋小路に入り込む。

これのブレークスルー技術が たまに耳にする「全樹脂電池」などである。全個体電池も話題になるが、基本的にリチウムを使うので現状は供給力に疑問が出て来る。

一元的で決まらない場合を思い浮かべ、投資研究することが出来るか否かが、工業生産の力と思う。従来の大量生産品としての自動車と現状の電気自動車は基本的に差がある。

モーターなどで レアメタルを使わない磁石・モーターの製造が話題になったが・・あれと同じである。如何に必要とされる希少・不足材料を使わず、同一性能あるいは近似にする技術開発がブレークスルーを生み出す。日本の国に必要なのは、この安価な代替品を作る技術を開発し 高価なライセンスとして売り、継続的利益を国内にもたらすことである。鉄鋼・液晶・メモリーなどの過去の経緯を繰り返してはいけない。

イーロンマスク氏はビジネスマンとしては希代な方と思うが、テスラと言う自動車メーカーのトップとしてはどう評価するべきかと考えている。EVメーカーとして 時流に乗り劇的に成りあがったが、これからは生産資源不足に陥ると見られ・・どうするかと思っている。

まあ 完璧な人間などはいないのが常識であり、おじさん自身も状況を岡目八目に見ての 生意気発言である。縁台将棋を横から見てる下手と同じである。自分が指すならこの手と思った手を指す方は 遥かに上のレベルであることは分かっている。どんな手を指すのか・・野次馬根性丸出しである。

投稿者

おじさん

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です