YouTubeを開いて見ると三式戦闘機 飛燕とPー51 ムスタングそれぞれがWarThunder VR実況と題した中で取り上げられていた。おじさん子供の頃からの飛行機好き、子供の頃は「丸」という雑誌を借りて来て親が心配するほど 長時間・勉強などそっちのけで読み込み、「航空情報」と言う雑誌を定期購読するなど「飛行機少年」であった。

大学受験は防大を受け、空自のジェットパイロットになる希望であった。しかし肉体の一部「お目目」で引っかかった。陸自で合格したとの内示はいただき、父の軍歴他 父の叔父なども職業軍人だったことなど露わに調査されており、入学に異存なければ発表すると聞いたが・・・希望にそぐわないのでお断りした。

おじさんの大学受験は挫折から始まり、飛行機に触れそうな機械科そして専門は流体力学に進んだ。その後の就職は燃料屋さんと考えれば・・・行き当たりばったり・・・人生それなりでも何とかなる。

余計な一言だが「挫折を知らないような奴は 見たことがない」 みんなどこかに傷がある「傷もの」である。「男たるもの傷があって なんぼのもの」と思う。

という訳でたまには青春時代を思い出して書いて見る。多分今回はエンジンについて書けばそれなりの量となるので、機体については次に書きたいと思う。

一言で言えば 当時の日本ではエンジン部品に対するベアリング、ゴム素材などの個別部品製造技術が洗練されていなかったため、エンジンごとの当たり外れが大きかったようである。

エンジン

この両者ともに水冷レシプロエンジンであり、川崎の三式戦はダイムラー・ベンツ DB601 からの流れのハ40、ムスタングはロールスロイスマリーンの流れのエンジンである。どちらも液冷V型12気筒エンジンであるが取付方法が異なる。

日本ではエンジン製作会社の名前からDB601と呼ばれずハ40(海軍)もしくはアツタ(陸軍)と呼ばれた。なお海軍の彗星艦上爆撃機にも使われた。名前が異なるのは海軍と陸軍でライセンス購入した結果であり、川崎で作られたエンジンとしてハ40と呼ぶ。

DB601 アツタ
飛燕 スーパーチャージャー

この両者 エンジン取り付け方向 DB601は倒立型で上部にクランクと軸がくる形である。ロールスロイスのマリーンエンジンはエンジン正立となり、下部にクランクと軸がくる形である。

マリーンエンジン

この形になる主たる原因は、エンジンをカバーするカウルが「おむすび型」で操縦席からの下向視界が良くなり、正立では「逆おむすび型」となり下向視界が劣る。搭乗者からすれば倒立型が良いが、キャブレターではマニホールドが長くなり重量が増えてしまう。このためDB601(ハ40)は燃料噴射、マリーンはキャブレタ―方式であった。後年マリーンエンジンはキャブレターから燃料噴射に変わる。

イギリスの戦闘機スピットファイアにもマリーンが搭載され、DB601搭載のメッサーシュミットとバトルオブブリテンで戦った。この際マリーンエンジンは宙返り状態が続くとキャブレター方式のため黒煙を出すなどした。

ムスタングにエンジンが乗せられる頃には 排気量を変更することなく、スーパーチャージャーの改良によって性能を向上させた。機体の変更を最小限に抑えることができたため、大戦全期間を通じて利用されることになった。日本のゼロ戦に架装された星型エンジン「栄」の馬力増加と比べれば、基礎的工業技術のレベル差が判る。

アメリカのパッカードがマーリン66をマーリン266としてライセンス生産を行い、P-51 ムスタングで アリソン V-1710から換装されP-51はエンジンをマーリンに変えたことで大成功をおさめた。

なお 名称はおじさんの世代の通例のムスタングとした。現在ではマスタングが多い様な気がするが・・世代と時代などにより名称などもこだわりのある方もおられると思う。ここはおじさんの記事と言う事でお許し頂きたい。