おじさんが最も好きなのは新耐震基準で建ったバブル期のマンションです。

平成7年の神戸震災にて 新旧耐震設計基準が違う建物が 実際のフィールドテストを受けるという事態になりました。

それまでの耐震設計のベース地震波は宮城県地震までを基準に作られ これを旧耐震(昭和57年以前に建てられた)基準といいます。

昭和58年以降の建築確認申請は新耐震にて行われているので・・・比較的安心である。

なお地震の経験ごとにその詳細は順次進化している。

建築上の構造を言っても難しいので・・・台所の流しに付くレバー式水栓は 従前は下に押すと水が出たが 神戸で物が落ちて意図せずレバーが落ち、水道の遮断が出来なかったため レバーを上向きに引き上げると水が出る型式に変わる。

■バブル時代のマンション

代表的プランナーのマンションを所有したので良くわかるのだが、バブル時代の建物は築年数が経ってもクオリティが高い。

躯体が建設単価が高いRC構造(鉄筋コンクリート構造)である。

バブル時代と言うこともあり、下駄箱,ドアなど未だに古さを感じず、良質である。

H型鋼をボルト止めして、床スラブも軽量に仕上げ、壁をALCパネルとした現在の高層マンションとは基本が違う。正直 お金の掛け方が違うのである。

同じ時代に鉄骨構造もあるが、正直痛みがRC構造より早いと感じる。

■基本が違う

昭和末期頃は コンクリート用骨材に及ばず資材が良質であった。

山陽新幹線の海砂使用による橋脚劣化などもあり、反省から海砂の塩抜きなど対応手段が取られた。

「割ぐり石」「砕石」などは 採掘する場所の減少とともに入手困難あるいは品質低下が発生していった。

平成の建築物は設計を変え、資材を減らすあるいは材質を変更するなど努力した。

つまりベストではなくベターに変わる。

また当時は職人が多く、おまけに腕が良い仕上げである。

おじさんの使っていたマンションは古い壁紙を剥がさず、その上から張っている。将来 模様替えあるいは売却する際は、壁の下地調整が少なくて済むとの狙いから直していない。

接着剤の寿命一杯持つようで、下地の壁紙が剥がれない。こう言ったところで仕上げの上等さが分かる。

今でも賃貸マンションと分譲マンションの細かい施工差 見学し細部を観察すれば お分かりになると思う。

正直バブル時代の分譲マンションの細かい仕上げは 現在の分譲マンションを超える。

■銀行融資

金融機関の融資条件を決定するのにあたって、この「法定耐用年数」ネックとなる。

中古物件は法定耐用年数以内の期間に融資が制限されてしまう。

法定耐用年数とは簡単にいうと、ある構造で建築された建物は何年間使用可能かというのを、税務上の理由で定めたものです。

RC物件だと法定耐用年数は47年となります。「法定耐用年数から築年数を引くと、残存年数は残り○年だから、その期限内の融資期間で融資を出す」というのが、一般的となります。

■いぶし銀

耐用年数の問題でいえば、現在 木造は22年ですが、長期優良化住宅や耐震等級、劣化等級などで22年以上であっても価値が維持される方向に進んでいます。

そうでないと融資物件が返済期間中に価値がないという ローンでパラドクスが発生し、存在意味をなさなくなります。

①資産価値は比較的高い 

②耐震・防音・断熱機能に優れ気密性も高い

③経済的耐用年数は長い(長期間使用できる)

確かに中古RC物件は良質なのですが 購入に際しての壁は融資のハードルが高いということです。

つまり 誰でも買える物件ではなく、自己資金のある方に限られてきます。

住めば「いぶし銀」の良さも分かりますが・・・仕方ないことのよう思います。

2020年 令和2年 現在 新耐震基準に基づいて建てられた物件のなかにも、すでに築35年以上のものがあります。

旧耐震基準時の築35年の物件とは 比べ物にならないくらいの耐震性・耐久性があると考えられます。

これまでのように「耐用年数が残り15年なので融資期間は15年までです」というのは疑問が残ります。しかしルールです。

そして最後に記しますが 作りが良いだけに解体費用なども高い。

「人生」と「マンション寿命」 最終の清算をどうするか?「出口」は頭の片隅で考えて置いてください。

越後湯沢のマンション群と同じになってしまいます。

投稿者

おじさん

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です