谷崎潤一郎の小説のタイトルを思わせるようなイメージの細かい雪が 散歩中舞ってきた。風の冷たさには参りながらの散歩であるが、日本海側で湿った雪を降らせてのことなのか、瀬戸内海沿岸では乾いているせいなのだろう。それにしても 「細雪」心に響いて来る リズムの良い名前である。

 細雪 細かくあるいはマダラに降る雪のことであるのだが・・谷崎の小説「細雪」は 登場する鶴子・幸子・雪子・妙子姉妹の三女雪子の名から『細雪』のタイトルが付けられた。

 気象の本を読むと色々な雪のことが出て来る。気象用語では 降雪7種類 積雪6種類 13種類に分類されている。この中には「細雪」はありません。

 真冬のニュースなどでドカ雪(これも気象用語にはありません)を報じる中で 日本海付近にある活発な雪雲の帯「JPCZ」(日本海寒帯気団収束帯)が南下する見込みなどと新しい用語が出て来る。年寄りには北川景子の旦那ダイゴの言葉のように思えてくる。ドンドン増えて行く言葉の数々・・処理するのも面倒そうである。もう少し詩的と言うかリズムもあって良いと思う。正直 現在の気象用語は無粋である。

 それにしても震災後の能登の風雨・雪 罪なことである。震災後 週末ごとに寒気団の張り出しが日本に掛かる状況が続いてお気の毒であった。おじさんより高齢な方が 止まった水道のため 毎日ポリタンクなどで水を運び、電気もない住宅で頑張っておられる。昔からのコミュニティーを頼って過ごされているようだが・・体力・気力にも限りがある。春も近づき ソロソロ余震も収まってきたようでもあり、避難生活を組み立て直していただきたい状況である。

気象

 気象用語の雪の分類は降雪7種、積雪6種の全13種類としている。

 降雪:たま雪、こな雪、はい雪、わた雪、もち雪、べた雪、みず雪。

 積雪:新雪、こしまり雪、しまり雪、ざらめ雪、しもざらめ雪、こしもざらめ雪。

 ここまで分ける必要もないと思ってしまうが、おじさん達が普段使う雪に関する言葉は更に多い。ところが気象用語である積雪は しもざらめ雪、こしもざらめ雪などは どうでも良いように思える。ざらめ雪は溶けて再度固まった状態での話であり、それが判ればどうでも良いように思える。寒い地区に行けばさらに堅い状態になってしまった雪を見るからである。

 おじさん 昔釧路を定期的に訪問して仕事をしたことがあるのだけど、彼の地の冬は 朝はマイナス20℃近くまで下がり、昼でもマイナス10℃位はよくあった。すると脇に寄せた雪もカチンコチン状態で春まで溶けない。もちろん釧路で雪かきする時は プラスチック製のスコップなどは使えないので、金属製角スコップであった。

 明治から以降 気象についての研究が進み、現象に色々の名前を与えたため生まれたと思うがあまり意味があるとも思えない。来歴を調べてみたが・・定義のようなものとしての扱いで、よくわからない。どうして生まれたか?是非とも「チコちゃん」から教えていただきたいと思っている。

 だが 日本語には雪については多くの表現がある事に、先祖には大感謝している。枕草子「冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず」とはじまり・・約1000年前から雪景をめでていた随筆でもある。補足しておくと「春はあけぼの」とある「あけぼの」は日の出前。「つとめて」は日の出後です。

 最後に 今は能登での大地震の後 早く春が来て被災者の方々に風雪などの影響が出ないことを祈るだけです。もうしばらくすれば 春になります。

おじさんは やはり俗世の民・・春直前の季節の思い出が・・誰にも青春がありました
「これで ああなって・こうなって」 出会いと別れ 面倒な22歳頃は誰にもありました
投稿者

おじさん

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