カセットガスの充てんガスは殆んどブタンガスのため、温度0℃で蒸気圧は大気圧と等しくなるので、気化したガスを利用できなくなる。微量の異性体他、プロパンなどの成分を含むため多くの場合は0℃程度まで使用できる。器具にセット使用中は気化潜熱によって容器が低温となり、気化したガスを得られなくなることもあり 確実とは言えない。なお カセットガスの大半は製造コストから韓国にて最近は大方生産され、イワタニのみ国産と記憶している。

おじさん学校卒業後の就職で 最初の現場研修で入ったのが石油精製の蒸留の部門であった。蒸留装置でプロパン,ブタンなどは最初に分留されるが、プロパンより軽いエタン,メタンなどはフレアスタックと呼ばれる燃焼設備で燃やしたり、カロリー調整用に都市ガス製造工場に流していた。

従って カセットガスにより使用時間が長い短いと言う意見を散見すると 器具による要素が大きく、ガス元弁の開度あるいは器具の空気調整をいじれば変わる。カセットガスの重量が同じであれば両者発生熱量は大きく違わないと最初から申し上げる。値段の決め方は使用可能温度範囲のようである。

ガスが多く、中央部が空気不足 ガス元弁調整必要 

どれを買う

現在市販されているカセットガスは阪神大震災の際 互換性不足のためメーカーにより使えない(リング部の切り欠き相違のためセット出来ないトラブル)ため、JIS規格にて統一された。

統一後も 初期には切り欠き形状の寸法余裕がなく、やすりで削ったこともあるが今はそんなカセットには出会わない。従って使用温度が通常の居室などであれば、どこのものでも大差ない。得失が発生するのは屋外などの低温環境での使用である。ところが容器の耐圧能力は ノルマルブタンの40℃における蒸気圧0.28MPの1.5倍の耐圧以下とする設計のため、5%前後までイソブタン,プロパン他の蒸気圧の高いものを入れ、-10℃程度まで使えるようにして、アウトドア用品メーカーなどから市販される。

このブレンドがプレミアムなこととして、高い値段を付けて売っている。おじさん添加ガス成分はプレミアムなガスとは思わないのだが・・・価格差を気にせず 有難るのがおじさんには不思議。

おじさんはこの辺りの経過と体験があるので用途に合わせ安価なものを買っている。場合により布で温湿布(40℃までは守ってください)にて初期スタートを掛けて 緊急時は無理に使用したりもするが、原則 冬の屋外ではホワイトガソリンの器具を使用している。

混合ガスの正体

アウトドアメーカーの成分を見ているとイソブタン,プロパンなどが混合されているのが多いようである。イソブタンは流動接触分解などでガソリン留分を作り出すクラッキングプラントから副産物として取り出されていた。一応 化学工業で使うなどで出荷していたが高価なものとは思わない・・・最近はガソリン増産のアルキレート過程で使用するからか?プロパンは自然に取り出せ、輸入もされるので安い。

ガス缶

一応ガス器具は空気との混合ガスを五徳のバーナー部に送り燃焼させる。従って空気調整口が固定式のため 調整等がいらないように、混合割合が5%程度に抑えているだけである。なお成分を蒸気圧表から推定すれば 使用可能温度は-10℃までと思う。なおホワイトガソリンであれば水が混合してない場合は-30℃近くまでは何ともない。

なお以上の件は アウトドア専用のガス缶でも同じである。

後書き

おじさん最初に蒸留関係を教えて頂いた「職長」が昨年亡くなり、奥さんから年賀辞退のご連絡を頂いた。石油精製便覧を片手にいろいろ教わり、公私とも大変お世話になった。昔のことを感謝する旨を手紙に書き謝意を伝えた。人との出会いが人生を豊かにしてくれること 忘れてはならないと思う。入社一年後「操油」と言われる 製品をブレンドして作る出荷関係に移動した。資格試験の勉強などで 昼休みに「操油」から自転車で構内を移動して「蒸留」に押しかけ教えて頂いたこともある。

今も 振り返っても数年ごとに部門・課を移り、製造から管理そして他社出向・研修 戻れば新会社設立などサラリーマンしてた日々を思い出す。元号が昭和の頃のお話です。平成になれば・・退社・プー太郎・会社起業と流れていく。令和で65歳 会社休業。これから何年生きて・どう生きて・何を出来るか 楽しみである。

投稿者

おじさん

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