中国本土は他国から見て市場になりうるのかと疑問に思っている。おじさん以前から書いているが農民戸籍の10億人と都市戸籍の4億人。農村戸籍の超貧乏人層と都市戸籍の中間層と富裕層の混在である。果たして製品を消費する市場になるのかと考えてしまう。

 結論から言うと全体の平均が貧し過ぎて、製品などを消費してくれる市場に成長するには時間が掛かると思っている。理由は都市と農村で所得が違い過ぎるのである。おじさんは日本が発展して来た歴史をライブで見て来たので変化の状況の想像がつく。都市と農村での所得格差が付きすぎてしまっているので、販売しても購買できる層と購買できない層に分かれてしまう。農村現役世代以下は都市に仮住まい暮らし、ジジババは田舎で暮らすことからも明らかである。世代が分かれ切っているので ものを販売する市場としては田舎は良いものではない。日本人の考える田舎像とは大きく異なる。

 それに居住していない住宅は傷みやすいと相場だが、経済成長期間から田舎の家は 20年近く空き家である可能性も高くなっている。中国の田舎の実家自体が滅失の恐れがある。日本でも おじさん達の少し上の方は京阪神などに就職したが、おじさん達の世代からは地元に工場が新設され、地元で就職した方が多い。最近は実家を継ごうと年長の方が一旦帰って来ても、実家が痛んでいることも多い。家族との関係もあり 相続した家・農地は荒れ放題が多くなって、居住に適さないものになってきている。

 おじさん サラリーマン時代は出張族となったので、日本でも 昔東北地方での出稼ぎなどでの苦労された話は 東北方面ではたまには聞いた。地域的に工場などの進出が遅れたため、長く経済格差が続いてしまったようである。中国の農村部も同じようなものと考えている。

 ものを販売する市場は 中学生の頃習った「イギリス・インド・清での三角貿易を考えると見えてくる。販売できるものは相手のレベルに合わせた製品と値段であることが必要となる。

 工業生産品を消費してもらうには その市場に所得・嗜好などが合うものでなければならない。現在中国が先進国であるアメリカ・ヨーロッパなどに輸出していた製品を自国内に向けても・・農村では消費されないと思っている。農村にいるのはジジババと孫世代であり、親は都市に出稼ぎしている。内需でカバーしようにも これまでの経緯を考えれば無理である。

 生活自体が出稼ぎした壮年の所得に支えられている。消費される品物が生活にマッチしていなければ購入されない。例えれば ひな人形の段飾りを都会で売ろうとしても、住宅の居住面積の問題から敬遠される。お内裏様ペアでコンパクト収納可能が歓迎される。また値段なども 多くの場合ジジ・ババの経済力により定まる。

 これまで中国は輸出で稼いで、作った製品を海外に出して売り捌いてきた。これからも自国のデフレを解消するために安い製品を大量輸出するのが見えている。先日も造船部門でタンカーの大量受注が伝えられていた。中国には生産過剰な安価な鉄があるだけに、敵う国などはない。

 中国国内で人民の戸籍制度などを早めに同一化すべきだったと思うが、辺境の他民族を抱えた状態で一国制度・漢族優位などがあったため難しい状況と弁解の余地はある。連邦制など国家の体制を画一的にここまで来たので、これから改革していくしか手はないと思っている。無論 産業の内陸部への浸透は 安い人件費で物を作り出すことに貢献して来た面が大きい。

 共産党・解放軍そのものが 元々清末期の軍閥と言われた地方軍事組織の連合体を内在するので・・さあ どちらに向かうのやらと思いつつ、堕ちるなら勝手に堕ちて 巻き込まないでと願うしかないが・・易々とはいかないのだろうとは想像はしている。

所感

 中国がお金を注ぎ込んで株式市場の下落を止めようとしているが、出来るのかなと疑念を持っている。株式市場は企業の将来を考え、成長とその結果によるバックを期待して投資家が株を買う。今回は国家が資金を投入して株式市場で買い支え、空売りの規制など株価対策を行う。しかし こんなことで落ち着いて 継続的に株価は上がっていくのだろうかと思っている。逆に考えれば 日本の株式市場は参加者が増え、企業の招来に希望が生まれているので・・高くなるのは目に見えている。ここで企業がドジるようだと・・将来は危うい。

 壮大な実験を見ていると考えている。自由な経済活動に干渉する習近平が下りるまで・・中国の経済崩壊は止まらない。外資の投資マネーによる世界の工場を目指したが・・国際的サプライチェーンから追い出されて終わる。残るのは金がない中国である。

 中国の政府系資金を投入しての株価下落防止 卵と鶏にも近い話である。将来性を認められた企業の株が買われていくのが原則である。従って中国のすべき資金投入は 株価の維持に入れるのではなく、企業が成長させるような資金を投入すべきである。

 EV購入販売に補助金を入れEVの成長を即した結果 EVメーカーが雨後の筍の様に出て来て・・庶民もEVを買っていった。駄案でも成功した体験があるだろうに・・これは時間が掛かるので、空売りできないように縛りつけてお金を入れれば株価は作れる。そんな株価に何の意味があるのかとしか思えない。

 また春節の頃 モーニングショーを見ながら、中国からの観光客が高級バックなどを買う店舗でのインタビュー風景を見ていても、台湾・香港が多く たまに上海とフリップが出て来ただけである。台湾・香港は平均的所得が日本と似通い同じであり、その中の富裕層と言う事で理解できる。

 春節は同じであるが・・消費している地域・階層が違う。中国人つまり華人と一絡げ(ひとからげ)にしている日本のマスコミも酷いものである。本当の現況を正面から伝えられないとは・・情けない。それでも確かなのは・・中国本土は不況とまでは分かる。

投稿者

おじさん

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