よく信号待ちする交差点の一角の柿がなくなっていた。柿の実は見ただけで「渋い」か「甘い」かが分からない。子供の頃は 「いたずら」に使い・使われた思い出がある。

念のため書くが 柿は枝などが 突然折れるので、木に登っての柿取りはダメである。

大人になって 葉がなくなり 朱く色付いた柿の実が 寒風に揺れるような絵を見るとき 心に響くそこはかないものがある。また 鳥が来て熟した実を啄ばむ。日本の冬との感がする。

我が家で柿好きなのは ばあ様である。従って 今の季節になると早生富有柿,合わせの西条柿などを購入して仏壇に供える。お供え後は速やかに ばあ様に。

若い方は食べないことが多いらしく、我が家でも子供は殆んど食べない。その為か 比較的安価に購入できる。

早生富有柿 昨年から購入しているが、種なしなので 先日帰省した孫は 喜んで食べていた。

孫を見ていると 果物のトレンドは「種なし」にあるらしいと分かる。

あれこれ

干し柿になる予定の 渋柿

柿は中国や日本など東アジアが原産で、ヨーロッパやアメリカには日本から伝わったために学名にも「kaki」と記される。品種も1000種近くあると言われています。

日本全国で収穫され、その品種も日本に古くから親しまれている柿には大きく分けると甘柿と渋柿に分けられます。

中には渋柿の混じる不完全甘柿といわれるものもあります。数多い柿の品種の中で、甘柿の種類は非常に少なく、20種類位しかありません。

甘柿の代表は「富有柿」。甘柿生産量の約80%を占めています。対する渋柿では、「平核無」が同じく80%を占めています。

栽培面積、生産量供に和歌山が全国1位となっています。次いで奈良県、福岡県となります。

富有柿と次郎柿・・・「富有はあごで食べ、次郎は歯で食べ、たねなしは舌で食べる」と言われる。

富有柿は果肉がやわらかく、「次郎柿」は硬めで、平核無はねっとりとした食感をしているところからこう言われてきたようです。

甘柿はある程度の気温が必要なため、主に関東より西の地域で生産されています。

不完全甘柿は種子が入ると渋が抜けて甘くなり、種子が入らないと渋が残る柿で、「禅寺丸(ぜんじまる)柿」「筆柿」や「西村早生」などがそのタイプです。

種なしタイプ 富有柿

合わせ柿と干し柿

甘柿と渋柿との違いは、渋の原因であるシブオール(タンニン)の状態にあります。

どちらも同じくらい含まれているにもかかわらず、甘柿の場合は水に溶けない状態になっているためです。

よく実の中にゴマといわれる黒い斑点が見られますが、これがシブオールが固まったものとのことである。

 一方渋柿には、このシブオールが水に溶ける状態のまま残るためで、収穫の後、『渋抜き』といわれる工程を経て市場に出ます。

「会津みしらず柿」「庄内柿」などは 夏の「柿渋作り」の苦労のご褒美か と思うほど美味しい。

渋抜き方法はいくつかあるようで、炭酸ガス法、加温法、アルコール法などがある。

友人によれば 固形アルコール燃料のようなものがあると聞くが、実際の経験がないので詳細は分からない。この後 天日干しして干し柿となります。

昨日 アルコールによる渋抜きを聞いた友人から 干し柿をいただいた。殆んど干してない生のような状態です。

大根が取れたら「なます」になり 干し柿の刻みがアクセントになるので そのまま冷蔵庫。

蛇足であるが 柿好きの「ばあ様」であるが、歯の都合で干し柿は苦手である。人とは かくも面倒くさい生き物である。

冬は もうそこまで来ている。コロナ流行の兆し、負けず頑張りたい。