このところの日差しの強さに負けていたが本日は曇り空だったので散歩の往路を変えてみた。休耕田のそばを通る時トクサが茂っていた。庭先などに観賞用に良く植えられているが、休耕田で広かるのは初めて見た。調べて見ると土壌を選ばず地下茎を伸ばして広範囲に繁殖を広げる性質があるため、庭植えには注意が必要であると書いている。
知り合いの組木細工を趣味で行っている方が、トクサをサンドペーパー代わりに使っていることを見たことがある。サンドペーパーで削れる量よりは少ないが、目が細かいとのことである。クラリネットのリード磨きにも使うとはその際教えられた。
あれこれ
トクサ(砥草、木賊、学名:Equisetum hyemale)は、シダ植物門トクサ科トクサ属の植物。
北半球の亜寒帯南部から温帯北部にかけての広範囲に分布し、日本では北海道から本州中部にかけての山間の湿地に自生する。観賞用などの目的で栽培されることも多い。表皮細胞の細胞壁にプラントオパールと呼ばれるケイ酸が蓄積して硬化し、砥石に似て茎でものを研ぐことができることから、砥草と呼ばれる。茎を煮て乾燥したものを研磨の用途に用いた。
地下茎があって横に伸び、地上茎を直立させる。茎は直立していて同じトクサ科のスギナやイヌドクサ、ミズドクサの様に枝分かれせず、中空で節がある。茎は触るとザラついた感じがし、引っ張ると節で抜ける。節の部分にはギザギザのはかま状のものがあって、それより上の節の茎がソケットのように収まっているが、このはかま状のぎざぎざが葉に当たる。茎の先端にツクシの頭部のような胞子葉群をつけ、ここに胞子ができる。
トクサ科の植物は石炭紀から存在すると言われている。石炭紀の大気は酸素の濃度が高かったため、引き起こされる野火のリスクが高かった。トクサは耐火性のあるケイ酸を蓄積することで、野火から生き延びるよう進化したと考えられている。