何気にいつもの道からある家を見ると、ソテツの上部がおかしいものがあった。物見遊山な性格のためか、いつも歩いているコースを外れる。
なんじゃこれ?ソテツの頂上付近が小さい白っぽい葉で覆われた直径2cmほどの赤い実のようなものが見える。実が出来るのか?家に帰り調べると・・・おじさんが知らなかっただけである。
調べていくとソテツから毒抜きをしてデンプンを取り出し、救荒食物として食糧難を乗り越えた歴史が琉球列島などにはある。自宅にもソテツは植えられているが 実が出来ることなど初見なことだらけ。謙虚に謙虚に生きていかねばと改めて思う。
あれこれ
ソテツ(蘇鉄)学名:Cycas revoluta)は、裸子植物ソテツ科の常緑低木である。窒素固定能を持った生物と共生している植物としてはマメ科が有名だが、同じ能力をソテツも持つため、窒素分の乏しい土地での生育も可能である。
ソテツ類の中では日本列島に自生する唯一の種で、自然分布では日本列島の固有種である。自生北限は野生馬で有名な宮崎県串間市都井岬である。
ソテツ属 (Cycas)のソテツ (Cycas revoluta)は有毒であるのにもかかわらず、ソテツには澱粉も多く含まれていることから、島嶼域では中世から近代まで、救荒食物の1つとして食用にされてきた。しかしソテツの有毒成分の水溶性は、デンプンよりも高いため、幹の皮を剥ぎ、あるいは種子の仁を細かく切ってから、水に晒してデンプンを分離した上で、さらに時間をかけて充分に水に晒し、発酵させ乾燥するなどの処理を経てサイカシンを完全に除去しなければならない。実際に愛媛県の中学校でソテツ種子を食して生徒が中毒になる事故が起きたことがある。