帝国データバンクによれば、全国55兆円に上る実質無利子・無担保融資の「コロナ融資(通称:ゼロゼロ融資)」の結果、手厚い支援の副作用として、返済能力を大幅に超過した債務を抱える企業を大量に生み出したとのこと。「過剰債務」問題が顕在化していると警鐘を鳴らしたが・・それは当たり前!としか思わない。

おじさんも 銀行さんから融資できますと聞いたが、融資を受けず事業撤退の道を選んだ。当時 政府が保証するので銀行さんは「取りぱぐれ無しの保証付き」案件なので、ホイホイ貸し付けると言って来た。

当時事業継承の問題も発生すると見込めたが、子供などを縛り付けることになると思えた。誰かを巻き込んで、発注先に「付いていきます何処までも」とすれば、ある程度の仕事は受けて継続できるが、おじさんを継いだものに 長期の保証がしてやれない。

同時期に持続化給付金をはじめとする政府・県の支援策もあったので、売り上げ減少はカバー出来 融資受けることなく休業を選んで、今日に至っている。

持続化給付金2分の1ほど赤字補填とパートさんの給料支給に使い、残りは税理士と納税そして社会保険料などに消えていった。その間 社会情勢など変わらないので、休業に舵を切った次第である。

おじさんは給料を取らなかったので 懐には入って来なかったが、「公金」をお預かりして有意義に使い、残りは税金などでお返ししたと思っている。

タイミング

「コロナ融資」を受けた企業の倒産が2.3倍にとなっているようだが、仕方ないことと思っている。コロナ流行とロシアによるウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機が重なり、コロナ後のスタートがずれ込んだ。生まれたタイムラグが、余裕のない所を潰していると思っている。

会社は運転資金があれば、多少赤字でも大丈夫です。潰れる時は運転資金が枯渇した時です。

この数年間に業績の立て直しが進まず、融資を使い切っている中小企業は多いと思う。23年3月には、利払いを含めた本格的な返済開始を迎えることもあり、返済原資の確保や金融機関からの追加融資が難しい企業を中心に、事業継続をあきらめての倒産が相次いでいると思っている。

中小建設業などでは手形で業者間を回していることも多いので、リンクの一端が切れれば・・・連鎖的に影響が波及していく。これから発生するだろう雪崩のような連鎖は想像がつく。

自己破産

ここで自己破産について、いささか書いて置く。中小企業が倒産すれば代表者は金融機関から、個人保証を取られているので、追いかけられることが通例である。

ここで考えておかないといけないのは、自己破産は誰が手続しても認められるわけではなく、破産法で定めのある一定条件に該当しなければ認められない。 主に自己破産で免責がおりなかった理由として考えられるのは、 債務の支払いが可能なら自己破産できないなどの 免責不許可事由に該当すれば認められないからである。

借金を作った原因や行動に一定の問題があるときは、裁判所の判断により返済免除を認めてもらえません。これを「免責不許可事由に該当する」といいます。たとえばギャンブルや浪費など自己都合による借金が免責不許可事由に該当する。

免責不許可事由に該当する例としては、

①ギャンブル・過大な浪費・株式投資などを原因とした借金

②意図的に財産を隠し自己破産の申し立て

③特定の債権者の借金のみ優先して返済した結果

④返済できる見込みもないのに自己破産を前提としてお金を借りた

⑤裁判所に事実と異なる説明を行った

⑥2度目以降の自己破産の場合、前回の免責から7年以内に再度自己破産の申し立て

などが上げられます。自己破産などする場合はドサクサに紛れて、②③④などはやってしまいがちです。代表者は逃げられない可能性が高く、下手すれば額は小さくとも分割してでも 一生返す可能性があります。

因みに昨今の闇バイトによる強盗事件、詐欺事件で捕まった方の自己破産は認められず、一生返済の義務がある可能性をお伝えしておきます。主犯・実行犯は区別なくかと思います。20歳代で懲役・反省して罪は許されても、経済的には一生十字架を背負うことになったと思っています。

最後に 昔おじさんは会社が危なくなった時、子供に自己破産について書いている本を渡して、おじさんの自己破産した場合 するべきことを子供に伝えたことがあります。が・・その後 子供が理解してなかったことに、後日愕然とした経験があります。

何か自分で始めたいとき、一度は自己破産について研究されておくことをお勧めします。人生順風満帆なことはありません。覚悟することの 一貫です。昔の武士がイザと言うときの切腹の仕方を学ぶようなものです。このことは事業に失敗したときも、再スタート出来るように 失敗した時の振る舞い方を知ることなります。転ばぬ先の杖と思っていただいて結構です。

勿論 研究されなくても 事業を始めることは可能です。多くの場合は 夢のままに・・生きることが多いとは思います。

投稿者

おじさん

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