ロシアが黒海艦隊で海上支配とウクライナの港湾を攻撃しようとしている、との報道を見たので、おじさん余計な事と思いつつ 対戦車ミサイル(ロケット)が舟艇に使えるかというということに答えてみる。

結論は 使えるとは思うが、ジャベリンなどは爆発反応装甲用にダンデムなヒート弾が装着されているので、装甲を突き破る戦車攻撃には向いているが、舟艇などの材料であるSM鋼材などでは高温ガスが作る直径5cm程度の穴を明けるだけとなる。効果があるが相手を倒すまではいけないというのが正しい。現在の軍艦では ほとんど装甲版は使用されない。区画防御で考えられているので、軍艦マーチの如く軍艦は昔のような「黒鉄の城」ではない。徹甲弾など装甲を突き破る砲弾も必要ないと思われる。(ヒート弾については 長くなるので自身で検索されたい)

ロシアの戦車砲塔上部あるいはエンジン横にスラット上の鉄材をめぐらしたり、爆発反応装甲(単純に言えば灯油を入れた鉄箱)を付けるのはヒート弾対策である。ジャベリンは最初のヒート弾で爆発反応装甲を破壊し、次のヒート弾が装甲を突き抜くシステムであるので、これらの対処は無駄となる。

昔 おじさんの上司がボルネオ島で石油タンクを組んでいる途中、ゲリラによる20mm機関砲の銃撃で30mm以上の鉄板(多分SM鋼)に穴がポンポン開いて、補修に泣かされた話をしていた。舟艇も同じ様な材質なので使えるが、現状の対戦車弾体では小穴を開ける程度で攻撃しても無駄である。

物にはすべて適応できるか否かの問題がある。中国のことわざにもある「鶏を割くになんぞ牛刀を用いん(読み)にわとりをさくになんぞぎゅうとうをもちいん」ということである。

普段から考えていれば対処策なども比較的出て来る。その場その場で思いつくままに生きていても、ネタを仕入れておくことが大事です。

MAT

今も自衛隊に装備されているのかないのか知らないが MATと呼ばれた64式対戦車誘導弾 その後継の79式対舟艇対戦車誘導弾は舟艇の攻撃に使用できた。いずれも川崎重工の製品であり、先輩である知人が造船不況の際、転勤して制作していたそうである。酒場でのバカ話で聞いたのだが、秘匿時間も十分過ぎたと思い白状する。おじさんが学生時代 ライフルの豊和工業での研修を白状したのと同じである。

今回のウクライナ紛争を事前に、戦車などの被害が大きくなるので 攻めるのがバカと先月書いた。そのためロシアはそこまでバカではあるまい。攻めないと思っていたので予想が外れた。しかし現戦況では当たっていたようである。ウクライナ人の奮闘とアメリカ・NATOの武器援助が招いた結果である。

常に常識は変化していく。昨日まで正解だったことが今日には間違いとなる。変化を感じ、変われるものだけが生き残れる。

伝統・精神など変わぬことも大事であると分かってはいるが、戦争・ビジネスなど競い合う世界では変わらないことは、負けを生むことになる。

明治時代に出て来た「和魂洋才」に通じると思う。日本人伝統・固有の精神をもって西洋伝来の学問・知識を取捨・活用するという生き方となる。中々難しいこととは思うが、心掛けたいことである。

投稿者

おじさん

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