出来れば 不動産売買1の次にお読みいただければ有難い。これも売主向けの編です。
まとめ行く過程で 不動産売買1にも「ちらり」と書いたが、買主へのアドバイスもまとめないといけないかと考え出した。タイトルはくどくなるが 買主向けの不動産売買3&4を連続アップします。
仲介業者
仲介業者を決め、契約を交わします。この際の契約は、3種類あります。
「専任媒介契約」、「一般媒介契約」、「専属専任媒介契約」です。
一般的には、仲介業者を1社に絞る専任媒介契約が主流です。
契約を交わした後、業者は広告などを使って、広報活動を行い、報告を定期的にします。
この契約が後日 宣伝広告費の負担,他業者への2重契約などでもめる原因になる場合があります。
よく業者に聞いてご判断ください。
まず 業者と一口に言っても、
①ネットワークが強みの大手仲介会社
②エリアに精通している地元密着型
③よりお客さまサイドで行動できるコンサルタント型
などの3つに大別できます。
対応や営業手法も異なりますし、保有する情報やノウハウ、個人的相性の良し悪しも変わってきます。
重要なのは 信頼のおける仲介業者と担当者を選べるかどうかという点です。
また 同じ会社でも担当者によって、能力や対応が大きく変わりますので一概に言えません。
大手になるほど 自分の情報がそれだけ拡散することにも繋がります。
秘密裏に売却の話を進めたい場合は不向きです。
売買契約
通常 仲介業者が 売主と買主の間で条件交渉を進め、売買契約を締結を目指します。
契約が成立した後は、測量(実測売買の場合 土地家屋調査士)や登記の準備(司法書士)などが
必要な現地調査,手続きを行います。実測売買を最初から計画する場合、業者に依頼直後より調査する場合もあります。
契約書にて約束した期日に代金を決済し、物件を引き渡します。
土地売却の場合、私道や境界確定がネックになることが多いので注意しましょう。
ここまでの手続きに要する時間は、売り手と買い手の事情によって変わります。
相続物件の場合などでは 未相続の部分などがあったりしますのでより慎重にします。
トラブルが無ければ 買い手が確定すれば、契約から決済まで1カ月前後で終了するのが一般的です。
売却に掛かる費用・税金
これで終わりではなく、売却した翌年には税務署に確定申告を済ませないといけません。
不要な場合もありますが 税務署とのご相談はお忘れなく実施してください。
不動産を売却する際には、支出も伴います。
戸建て住宅の売却では、不動産業者への仲介手数料、契約書に貼る印紙税、登記費用、場合により解体費や廃棄物処分費、そして売主の引越費用もあります。
また、税金として、所得税・住民税が掛かります。所得税は差益(収入-必要経費-取得費用)に課税されます。
住宅を売った場合、購入価格と売却時に要した費用を売却価格から差し引いた金額が儲けにあたります。
自宅を売った場合は特別控除を活用できるので、純粋な儲けよりは納める税金額が低くなります。
不動産の所有期間5年を基準にして、適用される税率が変わってきます。また相続などで
税率(復興特別所得税除く)は短期譲渡所得で39%、長期譲渡所得20%です。仮に、購入価格が1000万円、売却時の費用が300万円の10年超(長期)保有の自宅があるとします。
この物件を3000万円で売却した場合、儲け(所得)は1700万円になります。この20%にあたる340万円が納税額になります。
自宅を売却した場合には居住用の3000万円控除があるので、儲け(所得)が大きくなった場合は活用できます。
実は、このケースでは確定申告は必要ですが、納税額はゼロになります。
ただし、税制度は複雑なので、正確に計算するには税理士など専門家に相談しましょう。
なお、空き家になっている実家を売却する場合も、一定の条件を満たせば3000万円の特別控除なども使えます。
相続税を納税するに当たり、相続された物件を売却した場合、この譲渡所得を計算する際に特例があります。
相続時に計画的に実家を売却する場合、そのような特例の条件に合致するよう、あらかじめ、相続時の準備をしておくと良いでしょう。
マンション売却の注意点
マンションの売却は、自分の部屋内である「専有部分」と居住者全員で利用する建物内の「共用部分」、そしてマンションの敷地を利用するための「敷地利用権」のセットになります。
「共用部分」と「敷地利用権」には、各部屋内の持ち主である区分所有者、つまり他の住民との共有状態になっています。
もちろん、他の住民の反対で自宅を売却できなくなることまではありません。
マンションの場合は「共用部分」と「敷地利用権」の管理には、管理組合で行われ、多数決で決めることになっています。
大規模修繕などの問題が発生して 共有部分の負担金などが決まらないため、先に進まないことも考えられます。
一戸建て住宅であれば、土地も建物も全部自分たちのモノで、購入後の管理も全て自分自身で行えます。
売却タイミング
マンションの場合、一般的に戸建てよりも価格が安く利便性が高いうえ、購入希望者が多く売りやすいと言われています。
個人的には弱含みだと考えています。主な理由は、人口減少と高齢化が同時進行しているからです。
人口減少により、購買層である生産年齢人口(15~64歳)の数も割合も減少していく予定です。
逆に売却を検討したり実行したりする高齢者層(65歳以上)の数や割合は増加します。
外国人など海外からの居住者が増えない限り、購買層が増える事は考えられません。
不動産の価格は需給関係より決まりますから、エリアによっては全く価格が付かない物件の数も、より増えると考えています。
不動産売買まとめ
売却を検討する上で最も大事だと感じるのは「本当に売却して良いのか?」という点を考えることです。
損得勘定だけではなく、家族的な「わだかまり」あるいは感情的なハードルも多くあると、おじさん仕事をしていた時感じました。
同じものでも 時間が経てば評価も変わるので、売却のタイミングも大事です。
自分自身の時間軸だけでなく、利便性や世の中の景気の良し悪し、空き家や空き地の有無などエリアの状況も視野に入れる必要があります。
昨今自然災害による被害が急増しています。災害対策の視点も今後、評価の参考になると思います。
ゴルフの「たらればショット」と同じです。打った後は・・・思いを残さない。
不動産も 物件の引き渡しが終わば、すっきりと思いを残さぬことが大事です。