サハリン2のニュースが出るたびに、おじさんが関わったLNG船が、TVに資料映像として映し出される。懐かしい思い出が甦る。おじさんは 日本では少数派の船舶の低温配管の解析・設計をしていた。従って とある造船会社の配管設計などにしばしば加わっていた。TVの資料映像見る度に「そうだったよな」と呟きたくなることが多い。歳とって来たため 設計して来た船に孫・子供のような感覚を持つようになったためかもしれない。
今もオートパイプなどでの応力解析と熱応力による変形と緩和する設計方法などについて仕事する自信・知見はあるが・・ばあ様を看ているのでそうもいかない。基本設計から加わらないとどうしても、基本的レイアウト・構造・コスト低減など解消できないことが多い。事前調整してないと無理が出てきても、設計上の無理の解消が間に合わず、引き渡し時期に爆弾を抱えることになる。
おじさん 休業する前 とある造船所に嘱託として働かない?と打診を受けたが、ばあ様を抱えるのでご遠慮申し上げた。また管理されるサラリーマンになるのも・・そして 若い方に技術を伝えることなど考えると・・自身の体力・気力に自信もなかった。
今も事務所には15年近く前に輸入した英語版オートパイプをパソコンに入れてたまに遊んでいる。数年前から新しいOS内で古いOSを動かせるので、今も正規ユーザーとして認証されインストール出来る。最新日本版は1ライセンス年間リース料が年間200万円を軽く超えると聞くが・・アップデートとプログラムの構造は変わらないらしく、計算結果は最後にした仕事の際 検証したが変わりない。
考えて見れば 数値シミュレーションでの収束結果であるから、影響するのは繰り返し数の時間だけであり、多少プログラムを弄っても パソコン性能が上がっているので・・計算スピードは秒単位しか変わらない。
タンクはポチャが良い
最近では自動車運搬船などで 下層部に枕型の低温LNGタンクを据え付け燃料として使用するのを計画することが多い。この際多くの計画案などでは 積み込む車両の高さと構造上高さが余りないので、船体の全体から見れば階層高さを保つためにもぽっちゃりとしたタンクは入れたくない。
従ってタンクの長さを確保しようとするが、LNGなどでは熱膨張係数を考えれば前後長手方向に大きくタンクは変形する。だが 他との配管接続を考えなければ、船腹内のスペース効率はよい。
それ故 タンクの固定方法とマニホールドと呼ばれるLNG液の出入り口は初期において考慮しておかないといけない。タンクはポチャが良いとしたのはタンクの熱膨張係数による変形と配管の変形を考えてのベストと考えるからである。
上甲板に置くバルク船などの場合は現行進水船写真をみればタンクはポチャ(ずんぐり)となっている。
船舶設計などは 相反することをバランスさせることについて解答するのと同じである。
LNG低温配管
LNGの配管は流すときには極低温になることが多い。従って液を充満させる際には低温化させるスピードによっては材料に悪影響を及ぼしたり、配管全体にハンマーと呼ばれる衝撃力を受ける場合がある。材料の脆性は冷却スピードにより何とかなるが、ハンマーだけは形状を考えて置かないとサポートの断熱部分などが壊される。
詳しく書いても関心のある方もいないと思うと同時に、個人のプログであるので面倒と結論だけを書いて置く。
「固定しているようで固定していない」・・揺るぎ・垂るぎもあっても、全体が何となく固定されている状態が良い。自然に収まっている風景に見えるとさらに良い。
最後にサハリン2での資料映像に感化されて、知らない方にはどうでもよいと思われることを書いてしまいました。でも おじさんは対人関係・仕事関係でも「固定しているようで固定していない」と言う感性は大事かと思います。
半ば 夫婦も同じかな?とも思います。固定して考えるのが楽で良いので、奥さんなどは固定したがりますが・・それではお互いが苦しくなるようにも思います。皆さん聞いてないよと思い、やってないと「イラ」とすることなんかありません?
最後に厳しい時代ですが・・造船マン頑張れ!
追伸 本日はこの辺で・・なにせ 今から参議院選挙に行き、国民としての選挙権の行使です。皆様もご一緒に!