農業を運営する「営農」での生活は非常に難しいと思っている。農業で生きていくのなら規模の拡大か?ハウスなどによる多毛作などで、年間生産量を最大化していかないと生き残るのは難しいと考えている。昨日から考え出した「独立」に伴うことで考えたことである。

それなりの生産をして産直などで販売することで、単価を上げて利益を得ることも方法であるとは思うが維持していくのが難しい。

コストの考え方で決まることが大きいと思っている。家庭菜園をしていて コストのことを考えると実に面倒なことと気付く。年間で資材・機械工具など積み上げていけば生産コストもある程度分かるが、単品あるいはを考えると資材の重複使用などが多く短期では無理があると思う。人件費についても大規模に法人としてやるなら管理もできるが、土方の一人親方同様のようなもので、農家が単年度でコストを考えることにも意味がないと思われる。

農業生産者以外の市場・販売店などは仕入れ価格と販売価格が基準になるので、人件費を足せばコスト管理は容易となる。従って農家のみがコスト管理になじまない構造であると見ている。

農産物価格

昔 長野のキャベツ・レタスなど流通を管理するJAの職員と話したことがある。その中で最も聴いて驚いた原則的考えがある。

消費者の消費量はある一定の量で決まっている。この量を超えれば 一気の高騰あるいは暴落が起きる。消費される見込みが無くなれば暴落、不足するなら高騰である。誰も安いと言っても大量に購入して食べることもないので、値段が崩れるのである。特に葉物野菜などは長期の保存が出来ないのがネックである。

勿論 弱点を潰すのは当然の行動であり、予冷・エチレン吸着などJAレベルの対策から行っていた。ところが農家の実情を考えると、JAに集荷される時点が採り入れた午後。それを長距離トラックに載せて輸送して、市場開場時に並ぶのは翌朝以降となる。採り入れ直後から温度管理などが行われ、新鮮な状態で大きなロットで温度管理されてなければ長期保管することも出来ない。小さな農家の集合体ではどうしても対応しきれないのが、日本農業の現状である。

JAの担当者は 日本全国の産地から消費される大都市市場に出荷される農産物の量をつかみ、量を調整するのが仕事と言っていた。東京・大阪・名古屋大規模市場に流れ込む各県の農産物を確認・想定し、長野の野菜が良い価格で競り落とされ、流通されることを主眼としていた。それが農家の所得を補償するのであるから当然である。農家が大規模となり直接市場に送るなら話が変わってくるが、現在では農家が小規模の為、JAが販売代理しているに過ぎない。

輸入

最近は台湾などからレタスが大量に輸入されている。昔はアメリカなどからもあったのだが、現在は台湾が多い。最初から言えば 20年近い年月が過ぎている。

この輸入は温度管理されたコンテナで一気に運ばれて、通関・検疫も一気に行われる。市場に運ばれセリにかけられたり、直接契約でスーパー・食品工場などに入ってくる。

生鮮葉物野菜でさえ 現在では国内生産のみで賄うことも怪しくなってきた。

余談であるが・・現在オレンジジュースの生産が出来ず、価格が高騰しているようである。生産国であるアメリカ合衆国・ブラジルなどで疫病が発生してオレンジ自体の世界生産量が落ちている。

農業はもはや1国だけで考えることが出来ない時代かも知れない。

投稿者

おじさん

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