最近 天然ガスLNG価格の落ち着きが伝えられるが、果たしてヨーロッパは楽になるのだろうか。答えは、取り敢えずこの冬はダメである。多分来年も無理である。
社会インフラがない つまり貯蔵タンクがないのでLNG船で運んできても、荷役する場所がないので・・・使えない。今までロシアのパイプラインで運ばれていたルートしかないので、末端に輸入基地・タンク・再ガス化装置を作らないといけない。国内に常温パイプラインはあっても、低温のLNGを貯蔵し常温にする設備がないのである。これはどんなに急いでも2年はかかると見込める。一時的ならLNG船で代用も出来るが・・安全を考えると停泊地は離しておきたいので・・最低シーバース設備が必要となる。
またフランスなどの原子力発電も定期メンテナンスなしで走っているので、整備点検などもしないといけない。恐らく来年春先以降はメンテナンスラッシュとなり、電力余裕も無くなる。
そうなると残された方法は、古い設備の改修とガスタービンなどによる小型発電所の増設しか、短期で出来る解決方法はないと思っている。古い石炭発電を再稼働するには公害対策追加などで難しいところです。ヨーロッパが一時使用と割り切るなら、それで良いことです。従来の主張を曲げるのも・・・勝手です。
夏と比較して 年末に向けたなりふり構わぬ高コストのガスの調達は無くなるが、デリバティブと言う名の過去の付けも払うので厳しい。短期での回復は難しい。それに寒くなれば再度価格は上がるとは思うので、数年は不足しながら冬を迎えるしかない。
自動運転・EV
昨日奥さんとTVを見ていた時、キムタクと松たか子の2人の乗る車で、自動運転切り替えCMが流れた。奥さんが「ああなるのと?」聞かれたので「高速道路限定」と伝えた。確かまだレベル4前の段階である。
多分 特定の条件のもとでドライバーがいない完全な自動運転となる「レベル4」について、警察庁は遠隔による監視を行うなどの条件のもとで認める。新たな制度を来年4月から始める方針を明らかにはしている。
今年4月、道路交通法を改正し、自動運転の「レベル4」について、一定の条件のもとで公道での走行を認める新たな制度を導入することを決めているだけである。正直 社会インフラがないので車の供給量が増えても、即 使用出来ると限らない。
中国ではレベル4車両が出荷されたとの話があるが・・簡単にフィールドテストが出来るのが中国である。アメリカ・日本のような国では、もしかの場合 人命が脅かされるのでそうはいかない。言い方は悪いが、中国は「人身御供(ひとみごくう)」となると思っている。
最近 ヨーロッパ自動車メーカーの車のCMには、電気自動車EVが多く登場する。電気代が高騰する中、電気自動車のヨーロッパでの販売は苦しくなる。更に 数年後のリセールバリュー(中古車)低迷が見えているので、買う方も少ないと思っている。モデルを見ても中途半端な車格で、ツアラーなのかシティーなのか区別がつかない。ヨーロッパ自動車メーカーも迷走している。
日産・三菱は軽タイプの電気自動車を出して、バッテリー劣化による走行距離低下を目立たさないようにしている。おじさんの知人が乗っている10年物のアイミーブの走行距離、新車時が150kmあったのが、先日聞いたら70kmとのことである。満充電で隣町往復が限界と言っていた。電気自動車は現状シティーユースしかない。
風力発電
清水建設の海上風力発電建設用の風車組み立て台船が完成披露されていた。ところが世界では羽根のさらに巨大化が進み、これでは 役不足の声も挙がり出したとの記事も読んだ。おじさんはいつもの如く おバカ評論家によるご意見と判断した。
おじさんは日本近海では羽根の大型化は難しいところがあり過ぎると考えている。風の速度領域が広く、且つ細かく変動する場合が多い。そう言う訳で 大口径の羽根の可変ピッチのコントロ―ルと耐久性など管理が難しいと考えている。羽根の直径が倍になれば重量は8倍となるので、動かす可変ピッチ駆動力も大きくなるので、油圧も圧力が上がり、駆動部品の耐久性などは落ちる。風の速度変動幅が小さく、可変ピッチ機能をほとんど使わない場合は・・問題ない。そんな場所は日本にあるのか?
日本の評論家の多くは 技術畑を知らない方が多いので、諸外国がこうだから こうなんだと勝手気ままにコメントする。それにマスコミも検証することもなく取り上げ流す。かくして どこが正しいのか意見も定まらず流れるままになる。
でもおじさんが思うに、多少知らなくても概算・概要はつかめる。また取材すれば判断の付くところである。風力発電設備などは自然環境・条件により定めることが重要であり、他国に倣えのものではない。