近頃 水素とアンモニア 流行りのニューウエーブ燃料である。おじさんは一応 高圧ガス取扱などの資格者でもあり、サラリーマン時代は本社勤めであったので、高圧ガス保安協会の会合あるいは勉強会には、数合わせで参加させていただいた。そんな訳でこの両者について知っているので、車あるいはエンジンの自称専門家などが言っていることを 可笑しく思いまとめた。

思うことは「貴方たちは 爆発について理解していない」と言うことである。

現在アンモニアは船舶用エンジンの燃料として三菱重工が低公害エンジンとして開発中である。従来話題となっていたメタンガスの利用などはとっくの昔に研究は終了している。都市ガス13Aガス(実質メタン)で実績・時間ともに枯れた技術である。

自動車用エンジンでは 水素混合気の爆発を利用したエンジンが、トヨタから発表され レーシングカーに利用されるなど実用化が進んでいる。でもトヨタのレース参加はトヨタが厳しい条件をエンジンに課して、研究している一貫と判断している。それに世間での話題になり、水素エンジン技術に対するイメージを膨らまし、トヨタにとって損なことはない。

燃料電池

水素を利用するなら、燃料電池で事足りると思う方は、一時的に大トルクを必要とするトラックなどに燃料電池を使うのは難しいことを知らない。そうなると瞬間的に電力供給する蓄電池搭載などバッファを持たせることになり、さらに重量増加となる。

蓄電システムで長距離トラックを動かそうとすれば、貨物より蓄電池が大きくなってしまう。

水素燃料電池の使える範囲は3t程度の乗用車までとなる。バスを蓄電池で電動化するのは分かるが近距離内での運行なので、いつでも充電できるので実用可能と考えている。

余程の蓄電池システムに革命が起きなければ、大型トラックまで開発することは難しい。極端に書けば荷物を運ぶのか蓄電池を運ぶのかという本末転倒な問題を解くことになる。

水素エンジン

このトラック用エンジンとして考えられているのが水素エンジンである。ガソリン機関と同じであり、最も難しい部品は「燃料インジェクター」となる。ガソリン以上に爆発範囲が広く、高圧気体であるので、ガソリンのものと比べてコントロールは難しい。また耐久性もガソリンに比べ、最も漏れやすい気体であり格段に難しい。

水素は可燃性ガスであり、支燃性ガスが共存する場合に特定のガス濃度の範囲で爆発。水素の爆発濃度範囲は空気中では一般的に4.0%~75%。なおガソリンの爆発範囲は 1.4 ~ 7.6 %である。

おじさんは「燃料インジェクター」の耐久性向上・燃料充填性向上の研究目的がトヨタのレース出場と考えて入る。ホンダ他が 悔しさいっぱいのコメントを出すが・・ここまで研究開発に資金投入と執念を燃やせなかったことも一因と思っている。

水素の爆破力からすれば、トルクを稼げる低回転・高負荷にいちばん旨味がある。トヨタ知っててやってると思われ、「おぬし やるな」の感がする。

舶用エンジン

現在三菱重工が船の未来をかけて アンモニア燃料大型エンジンの開発を行っている。

アンモニア(NH3)の爆発範囲は15.0%~28%である。ところがアンモニアは液化しやすく、20℃では、0.857 MPa (8.46気圧)で液化する。従って船舶のエンジンは従来はジーゼルエンジンであったのだが、圧縮比を考えればガソリン機関程度までしか取れない。

三菱重工は世界的舶用エンジンメーカーとして、また日本のプライドを胸に挑んでいると推察している。

おじさんの経験から言えば、アンモニア 非常に燃えにくいというか?燃焼状態が安定しないガスである。難儀なところに追い詰められないように・・何とかブレークスルーされることを祈っている。

アンモニアと言うと、子供の頃 近所のアイスキャンデー屋で起きた爆発・ボヤ騒ぎを思い出す。大人になって吸収式冷凍機からのアンモニアが局所に溜まり爆発が原因だろうと想像できた。子供の頃 身近にはあったが、これを燃料になる時代が来るとはと言うのが、素直な感想である。

輸送に当たっても低温での流体条件はプロパンに近く、輸送船は共用できると見込まれる。

カーボンニュートラル時代 陸に海に・・いずれ空もニューウエーブがやって来る。

投稿者

おじさん

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