おじさん 子供が小さい頃 PTA・子供会のお世話をしていた。制度的に地域の社会福祉協議会の役員も務めないといけない立場であった。そんな時 隣の小学校で空き教室を使って「学童保育」を設置するとの話が出て来た。
どの地区も社会福祉協議会の会長などはそれなりの年齢でもあり、負けず嫌いが多かった。従っておじさんなど若手に「何をやっている。負けるんじゃない。うちの小学校にも学童保育を設置しないといけない。何とかしろ!」と檄が飛ぶ。
仕方がないので、リサーチを始める。小学校PTAで臨時に役員会を開き、アンケート的に意見を求め、役員の多くの方が要望している状況だったので、校内で全生徒のアンケート調査を実施した。求める実体が多く、設置計画を進めることに決まった。ところが田舎の常 ジジババ同居の家庭が多く、家に保護者が存在すると言うことになり、学童保育の補助を市から得られるかどうか微妙な数字となった。
市教育委員会に相談して「現状は基準を満足するが・・将来的に存続できるか検討されたい」と費用を使いたくない下心が半ば丸見え状態であった。教育委員会の職員に同級生がいたので、校区内の小学校入学以前の子供の数について数字は出してくれることになった。
次は「ひよこ教室」という新米ママの相談あるいは0歳児以上を対象とするNPOに連絡しての協力依頼。もちろん保育園・幼稚園には小学校PTAから正式に依頼文書を出して足並みを揃えることになった。
こうした中で「物事を予想する」「議論する」ネタ(たたき台)をいかに作るからが大事と分かった。仲間を集め 意思を統一し、共同の目標に向かう意義を理解できた。手法的には期待値と呼ばれる予想値を出しながら検討していく。勘で予想することは簡単であるが、ある程度周囲を納得させる手順・考えかたが入らないと共同して同じ目標に進めない。仕事も同じである。
現在も学童保育は実施されているが、設立経過を知るものは今の関係者にいない。何事も順番で終えていく。
期待値
こんな時 活躍して貰うのはエクセルとなる。小学校のDATAを入力し、児童の家族構成を入力し、学童保育適格対象者をカウントした。そのまとめた予想・傾向から幼稚園・保育所そして0歳まで範囲を広げ、彼らが小学校に通う年齢まで広げ 約12年後までの予想を立てた。
更に町内の新築住宅の建設状況を加味して、市建築課の協力のもと小学校児童の増減予測も行った。これは都市計画法などの影響で経過予測が難しく、またそれが おじさんの住む市の人気をスポイルして、年寄りばかりが住んで・・人口減少に悩まされると予想出来た。これについては都合が悪いことで公表はしなかった。しかし おじさん個人が不動産業を継続するべきか否かの判断を助けてくれた。市などがDATAを出し渋ることも理解できると同時に、市の凋落を市職員が止めるため 市の運営に生かすことをしていないとも感じた。
公務員「お日様 西西」で給料が出れば・・当たり前である。
以上の現在の状況を将来まで拡大して、将来の増減傾向などをまとめるやり方が期待値を使う手法である。その後の経過を見ていると 学童保育進捗は予想と大きくは外れていない。
学童保育は 現在も何とか継続している。作る際の苦労を知るメンバーは分散したが、みんな元気にやっていることと思う。
ああでもないと予想・期待値を検討していた頃が懐かしい。先ずは資料を集めて議論のベースを作り、担当者が力を合わせる「たたき台」を作ることである。