ロシア兵による略奪品をベラルーシから発送する姿を見ている時、ウクライナという国がロシアより豊かな国であると思った。また解放されたキーフ周辺の村々の状況あるいは抑圧された際の光景を話すインタビューを見ていると、ウクライナがロシアより豊かと分かる。

それ故 ロシア兵から見ればソ連崩壊で同じレベルの貧しさになったにもかかわらず、現在は豊かに暮らすウクライナ人を見てある種の嫉妬を持ったのではないかと思う。

おじさんの印象として ヨーロッパで最貧と言われたウクライナなのに・・それ以上にロシア人民は貧しいのかと思ってしまった。

両国を分けるものは、人口も違うが核兵器の有無と軍事予算の差であると感じた。GDPなどだけでは推し量れない生活である。

やはり軍事予算は国家を疲弊させると言うか、国民を貧しくすると思う。現在のロシア軍は旧日本軍とよく似ている。ロジスティクスを考えず、正面装備にこだわり 過去の栄光にこだわり、イケイケ根性的で・・このままでは 人を失い、信用を失い 国富を失う。

例えば ウクライナに侵攻した兵士用装甲車も古過ぎ、側面の防弾が薄いため 兵士は車内に乗らず車上に乗っている。車内で銃撃されれば密室で弾丸が何度も弾かれ、内部でグルグル・・棺桶と化す。兵員は知っているので車上に乗り移動する。見栄だけのロシア軍な気がする。

戦艦大和を作れる国が、明治38年式小銃で戦った陸軍兵士・・旧日本軍とどこか似ている・・お金がない見栄っ張りの証のようでもある。

ところが ウクライナはクリミア占領を許したことで、ウクライナは反省し、近年は国家の運営バランスを取ってきているように思える。

軍事費を大きくしてもダメ、小さくてもダメ 国の大きさなど要因もあるが日本も考えないといけない時代となった。

基本技術

ウクライナが鹵獲した戦車などを 物色して砲弾・弾丸を回収おまけに故障・破損したものを分解・点検整備する姿を見ると、ウクライナは基本的技術を持つ国と思える。

おじさん 兵器はその国の持つ技術レベルの差が出て来るものであり、かつ用兵思想が現われるものと思っている。もちろん技術の進化あるいはコストにより紆余曲折はあると思う。従って修理する技術も製造できる技術に比例したようにレベルは変化する。

たとえば戦車のエンジンであるが、大出力小型ディーゼルエンジンを作れるのは、ドイツと日本であり、1500馬力を超えるエンジンはガスタービンエンジンが多く使われる。アメリカのM1、ロシアのT80系統が代表である。もちろんガスタービンは燃費も悪い。

日本では90式は2ストロークエンジン、10式は4ストロークエンジンである。2ストロークの方が馬力を稼げるが、燃費は悪い。大きさと馬力により取捨選択をしている。今なお心強い日本の技術レベルである。

加えていうと戦車の変速機も難しいとされる。大きなトルクを伝えるため小型化するには部品の高性能化がされないといけない。材料の組成のほかに熱処理・金属結晶コントロールなどの冶金加工技術を要求される。一朝一夕に作れるものではない。

アメリカのように割り切って エンジン・変速機の大型化も良しとする考え方もある。中国では高地での戦車運用出来るように、エンジンの性能向上を諦め、車体の板厚を薄くして軽量化した。戦いに使うのが優先する 人の命が安い国での話である。韓国のように性能要求レベルを下げ、ドイツから輸入などのようなこともある。

ウクライナはそれなりの技術を持つ国であるので、無条件で最新のものが供給されれば、性能が近いものを出してくると思っている。それなりの注意を払いながら援助しなければならない国である。事実 T80用のディーゼルエンジンをウクライナは作り、自国のT80のガスタービンエンジンをディーゼルエンジンに換装している。公称出力も世界レベルである。

先日 彼ら独自の対戦車ミサイルの攻撃風景を見たが、ミサイルは固定台にセットし、ロックオン・発射直後は目標を追いかけていなかった。フォーゲットになっている。出来上がっていないのは ミサイル本体と照準装置などの小型化・軽量化のみである。使える技術水準と思っている。ロシア製のバージョンアップ版であろうが、独自進化していると想像している。

またロシア黒海艦隊旗艦のモスクワへの対艦ミサイル攻撃を聞くと・・さもありなんと理解出来る。さらに ミサイル名がネプチューンと聞けば、ロシアに代わって武器輸出国を狙っているのかとも思う。したたかなウクライナと思う。

今回攻撃を受けたモスクワについては元々の設計思想がダメな船と思っていた。艦橋の周囲にミサイルを格納するのは・・バイタルスペースと言われる基幹重要部分に爆発物を並べたようなものであり、見かけは強そうだが攻撃を受けた場合は・・ダメである。そして低空で進行してくるミサイルを迎撃できる位置が塞がれている状態でもある。

艦橋が炎上 エンジンルーム直撃のようです

艦の位置の特定されたことにも疑問がある。通常は陸地から見える水平線の向こう側(20km以上)で監視するのが通常と思うが・・・姿を見せていたんだろうか?見せていたなら、ウクライナを舐め切った行動としか思えない。小島の守備隊を脅かし、「くたばれ」とされたという行動を考えてもやっていたようにも思える。

まだ未発表であるが 被害は陸と同じように艦橋にいた多数の将官レベルの人的被害が予想できる。対艦ミサイルは基本的にシルエット高さのある艦橋部下側を狙うようにプログラミングされている。それ故 ロシアの人的損失が大きすぎるだろうと予想している。

最後に アメリカ・イギリスが出す兵器のレベルを考えながら出しているのも理解できる。ウクライナの対ロシアで不足するのは「量」だけの問題である。

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おじさん

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