何時もの散歩コースを外れ、一つ山際の道を歩いた。水路は狭く、農地は残っているものの昔からの家が続き 家庭排水が直に流れ込んで 水路の中はそれなりの様相を呈している。今さら合併浄化槽の設置スペースもない状況なので「まあ 仕方ない」と言うしかないと考えながら、覗きながら歩く。そんな中 何か所かにクレソン(オランダガラシ)が生えている。栄養豊富なためか圧倒的に鮮やかに茂っている。この水路を見れば 取って食べたくなる代物じゃないのは確かです。
ところが暫く川上側に行くと 突然家並が切れ水が透き通る。川面に伸びる木の枝にカワセミが止まり、水中を覗いている。「なんだこれ」思わず呟いてしまいました。
あれこれ
オランダガラシ(和蘭芥子)は水中または湿地に生育するアブラナ科の多年草。英名をウォータクレス (Watercress) 、仏名クレッソン (Cresson, Cresson de fontaine)ともいう。ヨーロッパから中央アジアの原産であり日本には明治3 – 4年頃に、西洋野菜として導入されて栽培が始まる。帰化植物として各地に野生化しており、しばしば深山の水際などで見られることがある。
オランダガラシは清流にしか育たないという俗説は誤りで、汚水の中でも生育する。日本でもよく似たコバノオランダガラシ(N. microphyllum またはN. officinale var. microphyllum)とともに川や溝に野生化・雑草化しているのがよく見られる。葉は奇数羽状複葉、5月頃、茎の先に白い小花を咲かせ、その後細いさや状の種子をつける。