エネオス、千代田化工建設、クイーンズランド工科大学(QUT)は2021年11月2日 CO2フリー水素のサプライチェーン構築実証において、実際に使用できるレベルまで規模を拡大し、燃料電池自動車(FCV)への充填(じゅうてん)に成功したと発表した。低コストなCO2フリー水素のエネルギー活用を後押しする成果と思われる。

まだ効率等の具体的数字は出て来ていないが 水素の貯蔵には問題ない様である。なお再生については具体的記述がないので早く知りたい。

おじさん8月頃まで 川崎重工と岩谷産業のタッグに注目して、エネオス、千代田化工のタッグに注目していなかった。

正直おじさんサラリーマンの頃から昨年引退するまで 4社と関わりながら仕事して来た。おじさんの素直な気分は 小学校の運動会の「赤勝て 白勝て」状態である。

今回は応用化学・化学工学系の勝ちが少し見えてきた。これからもっと頑張れと応援したい。

再生エネルギー水素

Direc MCH
水素サプライチェーンのイメージ 出典:ENEOS

2018年から取り組んでいるCO2フリー水素のサプライチェーン構築実証において、実際に使用できるレベルまで規模を拡大し、燃料電池自動車(FCV)への充填(じゅうてん)に成功と 11月2日 に発表した。低コストなCO2フリー水素のエネルギー活用を後押しする成果だという。

クイーンズランド工科大学が所有する集光型太陽光発電を利用し、オーストラリアで再生可能エネルギー由来のMCHを製造。その後、日本に輸送したのちに水素を取り出して活用するサプライチェーンの構築を目指している。これまでは、実験室レベルの規模で技術検証に成功していたが、このほど約6kgという実際に使用できるレベルの水素を取り出すことに成功し、実際の燃料電池自動車( FCV )で活用することに成功した。

今回の3者が取り組んだ実証では、この水素をMCHに変換する工程を大幅に簡略化し、水とトルエンから一段階の反応でMCHを製造する技術を使用した。ENEOSが開発した「「有機ハイドライド電解合成法(Direct MCH)」という手法で、将来的にはMCH製造に関わる設備費を約50%低減できる見込みである。

ENEOSはDirect MCHで製造できる水素量の増加に向けて、使用する電解槽の大型化に取り組んでおり、今回の技術検証はその一環になるという。今後2022年度には大型電解槽のベースとなる150kW(電極面積3m2)級の中型電解槽を完成させ、2025年度をめどに5MW級の大型電電解槽の開発を目指す。将来的には2030年度をめどに、CO2フリー水素サプライチェーンの構築を目指す方針だ。

実証

実証実験では 川崎製油所をはじめとするエネオスの製油所を候補地として、海外で製造されたMCHの受け入れから、石油精製の既存装置を活用した水素の製造・利用までの一連のプロセスを検証する。脱水素機能を有する石油精製装置にMCHを投入し、装置稼働への影響を把握することでMCH使用可能量などを検討。製造した水素は石油製品の脱硫などに利用する計画とのことである。

利用するMCHは、「次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(千代田化工建設、日本郵船、三菱商事、三井物産で構成、以下AHEAD)」から調達する。AHEADはブルネイ・ダルサラーム国において未利用エネルギーを活用してつくった水素からMCHを製造する。

製油所は、沿岸部に立地し大型船が停泊できる桟橋を保有していること、昔からコンビナートとして 近隣に発電所、製鉄所、化学プラントなどの大規模水素需要家がいることから、海外で製造されたCO2フリー水素の供給拠点となれる可能性がある。ENEOSでは、製油所の既存設備を活用してMCHから水素を取り出すプロセスの実証は大きな新規設備投資を必要としないことから、将来のCO2フリー水素サプライチェーンの構築・拡大において重要な意味を持つとしている。

この実証は、石油供給構造高度化事業コンソーシアムが実施する、令和3年度予算「石油コンビナートの生産性向上及び強靭化推進事業(石油コンビナートの立地基盤整備支援事業)」技術実証支援事業のに採択されている。

おじさんは引退し関係も切れているので 本拠地で言えば「川崎 VS 神戸」の戦いとなり、楽しく観戦しています。

赤勝て 白勝て

投稿者

おじさん

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