75歳以上の方が加入する「後期高齢者医療制度」では、75歳になれば、たとえ、企業勤めであっても、自営業であっても、無職で年金受給者であっても、都道府県単位の「後期高齢者医療制度(後期高齢者医療広域連合)」に加入することになる。
後期高齢者のための(独立した)医療制度で 我が家ではばあ様が該当者となる。
おじさんの立場は介護保険と健康保険の両方に加入させられ、医療費はそれなりにキッチリ掛かる。病院などでの支払いも 65歳以前と差異はない。
お金の出入
厚生労働省「平成30年度後期高齢者医療制度(後期高齢者医療広域連合)の財政状況等について」によれば 2018年度のデータでは 単年度収入155,253億円のうち、75歳以上の保険料負担額は12,365億円(8%)、現役世代からの仕送り62,886億円(40%)、残りの80,002億円(52%)が税金となっています。
一般的に 特に75歳以上の後期高齢者は、病気になりやすく、しかも治療が長期間に及ぶ傾向があるため、単独で運営しようとすれば、法外な保険料となるか、給付の対象をごく狭い範囲に限定せざるを得ず、実質的に機能しなくなってしまう。
そこで、後期高齢者医療制度では、後期高齢者の保険料負担(約1割)のほかに、国や地方が(税金で)負担する公費(5割)、現役世代の医療保険からの拠出金(現役世代からの仕送り)(約4割)となっています。つまり 75歳以上の方の負担は1割に過ぎない。
厚生労働省の資料によれば、年収200万円以上ある75歳以上の窓口負担を2割に引き上げる今回の措置で、対象者は370万人、75歳以上人口の23%となり、負担増は880億円とのことです。
現時点でも、現役世代からの仕送りが6.3兆円もあり、2017年度から2018年度にかけて現役世代からの仕送り金が1,130億円増加したことを考えれば、この程度の負担の再配分では、「焼け石に水」程度にもなりません。
おじさんは言いたい 団塊の世代は無理筋を通すな!子供たちに残してやれと言うことです。
小さな一歩でも 焼け石に水でも進めなければ、多くの人が判らない。
将来
2025年度に向けて、順次、団塊の世代が後期高齢者となっていく一方で、現役世代の数はどんどん減っていきます。現状の枠組みのまま、負担の見直しなど「その場しのぎ」に終始していれば、今後、現役世代の負担が激増することが予想されます。
年収200万円以上といっても、資産が億単位である人もいれば、まったくない人(おじさんのような家程度で財産も無いが 借金は少し)もいます。負担増を考えるのなら、資産を考慮と言う議論を投げるバカがいます。資産と言っても家,土地など不動産では換金出来ず意味がありません。
いずれにしても、最悪なのは、現役世代が高齢世代を支えきれなくなってしまうことです。
ここで政治家が選挙ではなく 日本の社会保障制度全体における負担と給付のあり方の再構築あるいは構造自体の抜本的な見直しを急がなければ何も変われず、全体に貧しく、潰れていくように思います。