病院に着いて 脳神経外科医師の問診を受けながら、確認作業が始まった。勿論 その間にレントゲン・CT・MRIなどの手配が終っており、問診終了後は順次 該当部署に廻されていく。最終的にMRIで脳幹部での梗塞発生場所の確認が出来た。その頃には奥さんも到着しており、医師と話したそうである。おじさんがMRIから帰って来ると、モニターを見ながら 画像内の白っぽいここが梗塞発生場所ですと説明された。時計を見ながら残念ながら血栓を溶解させる特効薬は5時間経ったので効果は期待できませんと伝えられ、次案での治療になりますと伝えられた。

 夫婦ふたりで話を聞いて了承した後 おじさんはパンツを脱がされオムツに変えられた。オムツをしなくなって60年以上・・お初のことで・・木っ端恥ずかしかった。勿論 普段着も脱がされ パジャマのような入院療衣に変えられた・・問診時 腕には点滴用の針をセットされホースで輸液を送り込まれていたのだが・・更に輸液を追加されるなどした。そのまま病棟に運ばれていった。病室でよいしょとばかり 看護師に抱えられてベッドに移された。そして今夜からのトイレは尿器を置いているので採ってください。なおオムツ装着なので大きい方はナースコールを押して、してくれればよいなどと色々聞かされた。真夜中に オムツをずらしてチンチンを出し、汁尿器での小用採取・・初めてのことであり はっきり言って外に漏れそうで怖かった。もとより 寝たままのトイレも初体験である。さすがに大きい方は出なかった。

 おじさんが病室に運び込まれる頃 奥さんは入院手続きに向かい、入院時の水・お茶などの飲み物を準備していた。奥さんが入院病棟病室に来たのは11時過ぎであり、少し話したが ばあ様のこともあるのですぐに帰った。奥さんは翌日夕方に来るとのことで その際 パンツ・水・お茶などを持ってくると聞いた。

 奥さんが帰って ウトウトしていたが隣の親父のイビキで2時ごろ目覚めた・・その時には手のしびれは消えていた。足がどうかは分からなかったが・・翌朝膝立ちなどすると素直に動いていた。右手の指なども問題なく動かせた。医師の話しで 現状の梗塞範囲が広がるか否か問題であると聞いていたので、養生第一と安静に務めた。入院2日目朝にはリハビリ担当が来て、歩行器を使いながら100m弱を歩いてみた。意見を聞かれ歩行器なくても 大丈夫なようですと答えると、後方から歩く姿勢などを確認していた。後の話しでは 体左右のバランスは大きく崩れていなかったと聞いた。障害が強く出る場合は バランスが崩れているそうである。

 この2日目の午後 点滴をしながらトイレに行くことを教えられ、起き上がると幾らかフラとするが・・トイレに向かうようになった。夕方には脳神経外科の担当医がやって来たので、手のしびれも無くなり、足の膝抜け等も無くなったことを伝えた。なお この2日目も食事等はなかった。 食事が出て来たのは 9月17日 つまり入院3日目の朝からとなった。最初に食べたのは5分粥であり・・2日程3食御粥が続いた。入院生活 9月18日に向かいの若い方と隣の親父が退院してから、イビキに悩まず自然に眠り目覚めるようで ゆったりとした朝を迎える様になった。この時には 手足のしびれ等は完全になくなっていたが、点滴はほぼ24時間連続して1週間と聞かされた。