硬直化して ガソリンの値段も下げられない。米の価格も下げられない。政治の無能ぶりのみが目立っている。同時に官僚組織が硬直化して能動・遊撃的に対処できていないことも見えて来る。法令にあるから・・・と出来れば良いがそんなことは世の中には少ない。思い出すのは1995年(平成7年)に食管法(食糧管理法)が廃止され、戦中・戦後の食糧難時代に終わりを告げた。それから自由に農家は米を出荷出来るようになった。今回はそれから30年が経ち、自由な米流通が適正に行えなくなった時代が来たとのメッセージである。
米の自由な出荷が実現したが、米は生鮮品と同じで低温倉庫を必要としたので、全農が倉庫を確保していた。そんなこともあって政府流通米は低温倉庫内で、江戸時代さながら 全農が札差同様に、ここからここまでは政府流通米という状況を 食管法終了直後に見たことがある。そして全農は貸倉庫・管理業者として料金を政府から得ていた。
手数料をキッチリ頂いて・・農協は美味しい商売と思った。農協さんは儲けすぎるのもいけないので 農機具・農業資材そして職員の人件費を載せて販売していた。組織・経済的にも 近年は10軒の農家に1人程度農協職員の人件費が掛かるので・・物品販売価格などは自然に高めとなる。農協は過去に中間の経済連などを廃止して人件費の抑制してきたようだが・・人の整理が上手く行かなかったようで・・それなりである。そして今 農林中央金庫が莫大な損失を出したようで・・この先は・・と思ってしまう。
時代劇で桃太郎侍の「百姓の生き血をすすり・・」とまでは思わないが、日本の農家は耕地面積が少なく、耕作から出荷するまでの期間で 支払いなどがあるのに適当なバッファというべき余裕がなく、支払いに追われて適切な販売を出来なかった。農家は2重3重に収奪されていたようなものであった。その為 農家は兼業化し小規模農業で耐える状況を自ら作った。
それに比べれば 消費者はどうだったと考えてしまう。おじさん家(ち)は今も3反以上の農地があり 一般的には「農家」とは認めれる。しかし現在は減反政策などから、農地として全て貸し出してますが・・水利費・税金を引けば 利益はなくマイナスです。「負動産」とのことも理解しています。
現在の法令では 米を適法に入手・保管しているので、是正させることも難しいと思われます。ここは「令和の米騒動」とばかり 庶民が流通会社・倉庫に殴り込むような・・SNSでやり玉に上げるのが良いかと思っております。また最終的には 税務申告などで差益(不労所得)を見つけるしかない。そして 日本から米市場が無くなったことも弊害を助長していると思える。
昔の米作りは、生産を担っていた小作、自作には販売の自由などと呼べるものはなかった。出来た秋には、肥料代などの借金を返さなければならず、農家は安い値段で米を売る急迫販売を余儀なくされた。安かったのは市場に米があふれていたからではない。密かに買われた米は、すぐに産地問屋の倉庫に入ったのではない。農家の納屋や屋根裏を倉庫代わりに使って 春先まで温度管理のいらない保管もされていると思っている。温度管理も?気温が低く湿度も大丈夫な環境は自然に確保できる。
基本的に国民の主食を操り利益を得ようなんぞは 道義的に許せない。民間貯蔵米に対しては 安値に叩くなど米の流通に切り込むべきと思っている。「悪貨が良貨を駆逐する」ようなことを許さないことが大事であり、農家および農協には、米を安定的に作るだけでなく、それを販売=流通する力がついた形が望ましい。国の全量管理から、農家・地域の販売力に主体をおいた米流通に変える時代である。
そう言えば10年ほど前には 経済連が独自ブランドで県産米を出していたが、経済連も無くなった。そんな影響も大きいと考えている。
適当な農政の 辿った最後?