多くの若い方は知らないセリフであるが、おじさん達シニアでは定型のセリフである。昔 勝新太郎という役者がいて、「座頭市」という映画で一世を風靡した。その座頭市のセリフであり、おじさん最近 口をついて出るようになった。「座頭市」は、兇状(きょうじょう)持ちで 盲目の侠客である座頭の市が、諸国を旅しながら 仕込み杖を抜刀して悪人と対峙する、アクション時代劇であった。
泥だらけで虐められたり、人が投げた残り飯を泥が着いたまま食べたり…… そんな我慢に我慢を重ねた末に 仕込み杖を抜く!ようなストーリーであった。そんな「嫌な渡世だね」が スーパーで米袋を見ていて 思わず出た。6年産米を7年産新米同様価格で売っているのに・・「汚たねえ」と思ってしまった。仕入れ玄米60kg 2万円そこそこが3万円オーバーに紛れ込ませて売っているのである。素人相手にアコギな商売をしている。ブランド米との衣装を着せれば 馬子にも衣裳。そこそこでも お姫様のようなものである。皆さんにも おじさんの気持ちはご理解いただけると思う。
さて・・・抜刀術の話を出したので・・おじさんの父が 抜刀術をしていたので、家に刀もあるのだが・・おじさんは軟弱なのでそういうことをしない。正直キッチリ刀を振れないと 物は切れない。剣道もどきに振りかぶって 振り下ろしても地面に着きそうで・・それ以上のことはしない。余談になるが 南京事件での宣伝写真に日本刀を構えた軍人の軍刀の構え方を見て・・これじゃあ 自分の足を切るかも?と思ったりする。実物を振ったことのない奴は・・アホかいな!と思ったりする。
我が家の日本刀の長さは短めであり、抜刀して振り良い長さになっているので、美術品などで展示されて見るものより少し短い。はっきり言って実戦に使うのではなく 現代では演武の要素が強い。また抜刀術自体が踏み込んで斬るので、刃が届く長いリーチが必要ではない。抜かないことで 相手に間合いを取らせないことで、懐に飛び込み刀を抜くことを基本としているからである。抜刀術の大事な点は 刀を抜かないことで相手が距離感「間合い」が分からず、詰めて高速で抜き斬る要素であり、相手が間合いを意識する前に抜いて切りつける。西部劇のガンマン同士の決斗での早打ちにも似た要素がある。
これからの季節が 湿度が低いので 刀の手入れの時期でもある。マスクして 「肌想い」のようなごく柔らかいティッシュペーパーで表面の古い椿油を取り、後はポンポンと打ち粉をして拭き取ると言うか軽く磨く。打ち粉は砥石の微粒子を丸めた布(枝付 ポンポンだったか?)に仕込まれている。その後は すかして刀身の錆チェックしたりして・・再度専用の椿油を塗布すれば良い。この際 ティシュが柔らかくないと刀に線傷が出来る。 しかしながら 家の刀は父が使っていた実用品なので・・刀身にも傷があるので・・手入れは形だけ それなりである。また 普段保管は白鞘であるが、使う際の鞘など全ての拵え(こしらえ)は 父が新規注文して 新しく作らせたが、ほとんど本人が使わなかったまま・・で亡くなった。人生 思ったようにならないのが常である。でも 明日があると生きた父の証左であると思っている。
なお 刀の姿・形が 江戸時代後期以降の「新新刀」の無銘なので・・骨董としての価値はないと思っている。 財産となるような骨董品では無い。使う刀と理解している。勿論 人に向けては・・いけません。甥っ子が欲しいと手を上げましたので、おじさんの子供にも了解を取りましたが、彼の子供がまだ小さいので後日と言っております。事故が起きたら おじさんの困りますので 譲り渡しは慎重にです。
刀とは いざとなったら 人きり包丁
キッチリ管理が必要です。