埼玉県で発生した道路陥没事故後 下水管点検作業などで事故が多発しているようである。多分「酸欠」もしくは「硫化水素」による事故と思われる。特に埼玉県行田市で8/2日午前に発生した、下水道管を点検していた作業員の男性4人の事故は 救助に伴う犠牲者増加のパターンと思われ残念である。
おじさんも製油所内の脱硫装置などで働いたこともあり、硫化水素などが貯まり易い場所等もある。事故発生直後の救助では冷静な行動を取ることが、2次被害を防止することになると繰り返し教えられたことを思い出す。酸欠状態では呼吸2回目で 失神する可能性が高く、何とか呼吸を止めて作業が出来ると判断しても、何も装備しない状態で救助に向かってはならない。さらに 救助に向かうものは応援を呼び 体に命綱を付けて監視してもらいながら、緊急時には命綱を引っ張れる2名以上がいなければ無理がある。またエアラインマスクなど装着して行動可能であっても、監視者なしでは行動してはならない。
酸素が欠乏するとみられる酸欠作業前には 基本がガス検知・酸素濃度計を入れて確認すること。その直後に送風機などで換気して 換気開始10分ほど経ったなら 再度ガス検知などを行って、現場に入っていくように教えられた。
一般的な作業員ならこのような現場にはあまり縁がないと思われる。基本的防護に関する知識に欠けるのである。おじさんも 石油会社にいた頃 ローディングアームの修理作業で来た新潟鉄工の下請使用社員が、この作業になると労災が出ないから社員がやってと仕事を社員に押しつけていた。立ち会っていた新潟鉄工の監督と顔を見合わせながら・・お互いが笑ってしまった。そういう監督も 新潟鉄工退職再雇用のベテランであった。日本では 監督・下請けなど多重的になっているので、実作業員が知識もなく巻き込まれ犠牲を増やすことが多いように感じている。
製油所には小さい容積のベッセルと呼ばれる容器が沢山あり、それに作業員が入る前には製油所の担当者が換気・ガス検知・酸素濃度測定などをした後、許可するようにしていた。午前中あるいは前日に大丈夫であったも、作業日・作業時間にダメな場合も発生した。入る前には必ず安全確保・確認である。
そんな訳で 作業当日に下水道管の管理している組織の安全管理がどうだったのか?気になる。元請による下請け丸投げはなかったのか?あれば 人災である。また下水道の管理組織にも問題がある。