来年4月に建築基準法が変わる予定である。一昨日は耐震設計について思っていることを書いたのだが、これから来るであろう首都圏・東南海他の地震で 主要道路近辺でのマンション倒壊が起きれば神戸の道路が寸断され緊急車両などが通れないので被害が拡大する。耐震は計算上 柱と壁の関係を調整・整理できれば耐震強度が上がるので、学校などで建物外部に取り付けている耐震用の鉄骨などもいらないという工法も開発されて来た。従って鉄筋コンクリートが健全であれば、安価に施工できる目途も付いてきた。そんな中で・・建築物と敷地での違法性が認められれば・・施工も出来ず住民は泣くことになる。
2025年4月からの建築基準法の改正は リフォームなどについて厳しくなるようである。
省エネ基準の義務化など多くの変更点があるが、問題になるのは 大規模リフォームが建築確認対象になる点である。よく言われて来た「劇的アフター&ビフォア」は今より厳しくなる。間取り変更や柱など構造部分以外を作り直す大規模リフォームは厳しくなる。改正でフルリノベーションなど一定規模を超えるリフォームに建築確認が適用され、改正された建築基準法に適合させなければならない。
今までは 建築基準法などの法令に適合しているかどうかを確認する建築確認を行う必要がありませんでした。その為 リフォーム後に建築物としては「はてな」が付くものもあったので仕方がないことと思えます。しかし穿って見れば 固定資産税の見直しにつながる事柄なので、下がった固定資産税も増額する可能性があります。
建築基準法は過去の改正で 1981年以前に建てられた住宅は耐震性が低いとされており、それらの住宅を現行法に適合させるには、大規模な耐震改修工事を行う必要があり、費用も莫大します。現状リフォームやリノベーションは定義が曖昧で、建築基準法でも明確にされていないのが現実であり、リフォーム工事は建築士の資格が不要で免許や許可も整備されていない。一部でお粗末な工事や詐欺まがい悪徳リフォームも発生するなどあった。このあたりの改善する狙いもあるのでしょう。
先日 親の住んでた家を譲り受けるかも?との話を知人から聞きました。おじさん自身の世代から子供の数が減り、結婚した2人の親から それぞれが家を相続するケースも増えました。そんな訳で 親にすれば 固定資産・維持手間のみ掛かる中古住宅且つ空き家で不要としており・・受け取るのは親孝行とまで思います。一種の「実家じまい」のようなものです。大規模リフォームとなるようでしたら、法改正前に工事を行うというのも選択肢のひとつです。信頼出来る大工さん・工務店で、相談にキッチリ答えてくれ・正直に話せる業者がいるならメリットは有るかと思います。
しかしそんな状況でもなく補助金があるからと、物件選びをしているような不十分な状況・準備で家づくりを考えるのは本末転倒です。新築、中古、空き家に関わらず自分の納得いく家づくりを進めるのが良いと思います。
総括的には 2000年や1981年 主に耐震基準の項目が改正されましたが、木造建築は筋交い・火打ちなどで耐震性が結構上がりますので、基礎・シロアリなどにやられていなければ使用に耐えるかと思います。でも近年の人口減少などに伴う新築物件減少などに伴い、住宅メーカーの赤字などが増えている。この改正が業界を変える引き金になるかも?とは考えています。