米農家はやるだけあほらしいと言うのが おじさんの結論である。我が家が稲作を止めたのは30年前。最初は 心臓病で田に入れなくなった父を助け、学生・サラリーマンだったおじさんが10数年ほど作り その後は就職・転勤した。その後 耕作者は親戚のおじさんとなり、おじさんが亡くなった後は 専業農家に農業委員会を通じて農地を貸した。稲作ではトラクター・田植機・コンバイン 3種の神器がないと無理がある。正直米作りでは いずれも良く壊れ、そして修繕費用はサラリーマン給料からの持ち出しとなる。お金で例えると生々しいので 自動車で言えば普通車2台に軽自動車1台の維持管理費で収穫したコメの利益は消える。耕作面積が1町を軽く超えないと2期米作・麦作での経営は最初から無理である。農機の共用をいうが・・絵に描いた餅であり、個人の仕事・都合に合わせるのは難しい。

 換金性の高い農作物での経営でなければ 農業は経営上無理であるが、米作・麦作は兼業農家が経営出来る唯一の経営形態である。野菜などの農産物では兼業農家では作物の管理・出荷などは 時間がなくて無理となる。

 現在米作農業を支えるのは60歳台以上の定年退職者が主力である。年間利益10万円以下のボランティアでは年金がないとやっていけない。米価を切り下げ 消費者優先で価格を決めたので 米作農業就農者が高齢化した。国際価格とのバランスで押し切ったが、アメリカ・ヨーロッパなどのように 農家に所得補償がないのに・・農業にしがみ付くのは バカか?先祖代々 孫・子のためにと思い 生産をつづけているだけである。現在の農政は 農家の生産に対する意欲をスポイルさせたようなものである。

 少しアメリカの短粒種(日本と同じ)のカルフォルニアローズなどについて書くと、カルフォルニアでの米作は 大地はビッグバレーとの名があるように 昔の湖底だったので肥料要らずの農業が可能である。種蒔きも航空機から直播である。しかし水が乏しいため 何段階に分けて冠水してやるので・・水の供給能力が生産限界となる。また 長粒種は主にミシシッピー川流域であり生産量もあり 輸出も出来るが、タイなどの年4毛作に対して 機械化したがコストでかなわないと現地農家の方から若い頃 聞いた。

 先ずは日本の米作り農家の若年化を図らないと 日本の農業再生は無理である。今のコメの値段では若手の就業は望めない。現在のコメの高騰は 農家ではなく流通で生じているので農家には何も利益はない。騒ぎ立てるやつが世の中を乱しているだけである。農家を守るためには最低限の農業経営を維持できる費用を賄えるように・・また所得補償しろと思う。

 余り一般の方はご存じないかも知れないが・・貯蔵米はJA農協の倉庫で多くが保管されている。全農が政府からの委託を受けて 各農協倉庫で区分け管理しているだけである。米袋に所定のスタンプを押されて低温貯蔵されているだけなので 古米・古古米と言っても大きく食味などは変わらない。農水大臣が緊急に出せと言えば すぐ流通に乗せることも可能な状態である。

 おじさん 本日スーパーでコメが積まれているのを見た。5kg 2200円ほどで高いとも思わなかった。7合チョットで1kg。最近 おじさんなんか1合以下しか食べていない。水道光熱・原価を考えても 茶碗一杯40円程度。パンでも食って騒がないのが一番である。騒ぐから流通業者が足元を見て来る。

 最後に 今年の米価は幾らか農家が潤うようにしていただきたいと願っている。ボランティア活動の如き農業と知るだけに・・消費者は奮発すれば!と思う。

現在の米流通に異変が起きているのは事実だが・・農協側が仕掛けたのか流通側が仕掛けたのかは分からない。農水省が動かないのは各段階の在庫量を把握しての判断かと思う。米が行き渡らなくなった戦後の混乱期に出来た食管制度の名残で、農水省は各段階での在庫を掴んでいる。従っておじさんなどは 心配することはないと思っている。

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おじさん

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