超音速旅客機の開発記事を読んで 情報の隔絶を感じてしまった。ノー天気 考えなしで陽気にやってしまうことだが・・書いてる記者がコンコルドなどを知らないようで・・それで良い!と無鉄砲さを応援したくなった。夢に突き進む・・非常に良い。
超音速旅客機の時代がやってくる。実験機「XB-1」初飛行に成功(ギズモード・ジャパン) – Yahoo!ニュース
昔 コンコルドがロンドン ニューヨーク間で定期運航されると満席が常であった。燃料は多く燃やすのでチケットは高いながらである。亜音速ジェットを使用する乗客は運賃が高くて乗れない。しかし時間短縮が大きいので、忙しいビジネスマン達には大好評であった。
しかし当時の反省点として亜音速機よりも高度を高く取るので、オゾン層破壊の問題も指摘されていた。そんなこんなことが色々あったが、未解決のままコンコルドの運航は休止となった。主たる原因は翼などに発生した割れ問題があり、エールフランスでは支障なしと運行し 事故を起こした。ロシアのツポレフも同様に事故により以降の開発は中止されている。
技術的にも胴体は空気との摩擦熱で機首など 衝撃波が発生する尖った部分は特に過熱され、記憶では胴体は全長約60mで200mm近い伸びとされた。その為 揚力中心と重心の位置がコロコロ変わるので、航空機関士が燃料移動等で対応する必要があった。
同じくロッキードの世界最速SR71偵察機は 黒く塗られ黒体副射を狙い、機体の大半がチタンという熱対策が行われている。アルミ合金は熱による変形も大きく強度も下がるので、材料は吟味しないといけない。逆にSR71に対抗したミグ25のごとき 機体に鉄を使ったケースもある。函館に亡命して来た際に 鉄使用が白日の下にさらされた。
速度がマッハ2.5を超えると、航空機の温度が摂氏300~400度まで上昇するため、ミグ25の機体に一般的なアルミ材料を使用することは難しかった。アメリカが採用したのはチタンであったが、ロシアの設計者は鋼鉄を利用して最終的に構造の80%に鉄を使った。残りをチタンと耐熱アルミ合金にしていた。
超音速機 熱が大きく影響するので、機体の温度変化により繰り返し応力が生じるので金属疲労も起こし易いなど一筋縄ではいかない。形が複雑なところに応力が存在することになり、応力解析には時間と手間だけでは済まない。なお 現在の戦闘機などは一時的にマッハ2近い速度を出すが、時間は10分以下なので、発熱も小さく大きな熱応力が発生することはない。
先行したコンコルドは金属疲労にやられたと言っても過言ではない。金属疲労防止の為には使う材料を太らせればよいが、空を飛ぶには重量が無駄に増え過ぎて問題となる。何処に妥協点を定めるかを常に問われる。
また熱の発生を塞ぐためにも空気の薄い高空を飛ぶ必要があり、そこでの新たな環境問題 オゾン層破壊・大気汚染も考えないといけない。先代コンコルドとジャンボジェット747・エアバスは大量輸送とコストでの比較問題となったが、コンコルド自体の事故と機体劣化で決着が付いた。
人は常に高く早く移動できるように航空機を作って来た。ヘリコプターより早く高く飛べるオスプレイなど常に最新の技術を持ち込んでいる。こういったことに 闇雲に反対する方もあり、変化を押し進める方もいる。どこかでバランスが取れるだろうとは思っている。おじさん飛行機バカなので 正直 政治的考えで訴えるなら・・反対するのは お馬鹿としか思わない。
最後に おじさん「ノー天気」こそ大事なことと思っている。常に「だけど」とか「どうにか」とへこたれない「明るい明日を信じる」そんなノー天気さが人を進化させると思っている。
皆 中途半端に諦めるな
ノー天気が 高みに連れて行く