子供の結婚相手の両親などと「両家顔合わせ」という席(食事会)が以前あった。その席で「家」の話が出たので、「転勤族でもあり家を建てたり落ち着くのは 定年近くでいいんじゃないか」と言った。ところが子供から 会社の制度上35歳からは住宅手当になり、以降社宅扱いにならないから・・と言った話をして来た。会社も実に微妙な年齢で線を切って来たものだと思った。

 おじさんの同級生で三井系統に勤めていたのが、家を建てた途端に転勤して 関連会社の不動産部門を管理会社として家を貸していた。退職して戻ったところ・・現況に「とほほ」となったそうである。奥さんは一人っ子のため 奥さんの両親も亡くなっているので奥さんの実家の手仕舞いもあり・・どうしたもんか?となっている。転勤族の辛いところである。

 また おじさんには 定年が来て家を建てた知人がいる。四国電力と四国では指折りの会社に勤めながら、現役中は家を建てなかった。彼も転勤族であり 最終的には親の残した土地に家を建てた。話したところ 会社を定年しても25年近く生きるし、奥さんはそれ以上生きるだろうから・・家が持たないと言っていた。おじさん その考え方に得心してしまった。

 おじさんも現在のツーバイフォー・軸組の構成材である合板の寿命は 湿気が多ければ20年程で劣化すると思っている。柱等に集成材としたものまであるが、接着剤の寿命には疑問がある。先日無垢材を合板下張りに貼り付けた床を 通りかかった「無垢の家」の建築現場で見かけ・・確かに外見は無垢だが一考を要すると思えた。床板の下張りが合板では・・遅かれ早かれ同じだろうに・・・また外壁サイディングはコーキングによる防水・防湿処理が中心なので10年位でコーキングを替えないと性能の維持は難しい。つまり断熱材あるいは木材への結露・浸水などにより住宅躯体木材は傷んでいくだろうなと思っている。コーキングはメーカーの資料では7年で打ち換えとなっている。

 時期とすればローンを払いながら 子供の教育費・老後資金などを捻出していくのだから大変である。住宅に補修費などを入れる余裕もないし、夫婦共稼ぎで頑張るが そうなると住宅の換気時間なども短くなり結露などで さらに家が傷みやすい。また子供の行事参加などで休みであっても自身で家のペンキ塗りなどメンテナンスなども出来ない。経験上は 行雲流水のままに・・時は過ぎ去り 住宅は陳腐化する。

住宅設備

 おじさんは 住宅設備関係の機器の寿命も短くなっていると思っている。昔の冷蔵庫などはなかなか壊れないのが当たり前であったが、近年は冷媒圧縮用のコンプレッサーの回転数制御を行うためインバーターによる制御が付いている。回転数を上げればコンプレッサーの効率が上がり省エネとなる。しかしこの回路などはコンデンサーなどが利用される為、10年程過ぎれば怪しくなってくる。おまけに冷媒回路を含め 熱交換部品の材料もケチってより薄くなっている。省エネ性能の高い冷蔵庫などの寿命は10年と見た方が良い。最近のエアコンも同様である。

 エコキュート温水器は二酸化炭素を冷媒とするヒートポンプであり、コンプレッサーはインバーター制御で、運転圧力は大きく エアコンなどの運転圧力の比ではない。即ち壊れ易い。昔ながらのヒーターが入った温水器であれば、防食装置もあり 動力部分が無いので20年ほどは大丈夫である。

 水道・温水配管なども最近は 施工しやすいようにフレキ管と言う電縫ステンレス薄肉で作られるので、施行者が工具を下手に使っているとピンホールなどが生じやすい。

 このような住宅機器の変化に伴い、新品の頃つまり新築時は格段の満足感を得られるが、工業製品なので8年前後からおかしいものも出て来る。原因特定に時間がかかり、職人さんも減っているので 修理も儘ならない。

 そんな訳で住宅を持つには・・余裕をもってが基本である。知人が子育ても終わり、転勤もない定年直前で家をローンを組まず 建てたことも納得している。電気屋はやはり電機製品のことを理解している。昔ながらに「家を持って・・一人前」というのは ものを知らない・常識の変化を知らない・世間知らずのジジイの戯言であると思った方が良い。

投稿者

おじさん

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