おじさんは 中国人とは自国の二重性を真の意味で理解していない集団と思っている。例えば都市戸籍と農村戸籍は国家成立時での居住場所で戸籍を固定化した。そのため農村戸籍を脱するには大学などで都市に暮らし、その後 職を得て暮らす実績などがないと変更は難しい。農村戸籍であれば 生まれながらに人生に枠が嵌められているのと同じである。

 日本人の二重性と言ってもあくまで内面(うちづら)と外面(そとづら)という、渉外上の都合に合わせた程度と思っている。多くの場合は「物も言いようで角が立つ」ようなことを内在している結果のようなものである。

 また部落問題なども 江戸時代初期に打倒された勢力を幕藩体制での統治に利用したことが最初であることが多い。従って時間・社会の変化に伴い、固定されたかと思っていたことの多くは崩れて行く。唯一近代まで残ったのは部落差別による身分制のみではないかと考えている。これも現在の人々の移住・移動を考えるとそう長くないと思っている。実際体験的に言えるのは 日本人の中には、みつお氏ではないが「人間だもの」同様の平等意識が多くある。

 中国と日本の 基本的な考えが支配層と非支配層成立過程と認識にあると思っている。歴代の中国王朝の成立形態を見ていると 遊牧民が中国中原に侵攻し王朝を打ち立てることと その後の華人の巻き返しが繰り返される。漢の成立滅亡後は匈奴が侵入するなどして 晋(しん)成立・・南北朝・・と歴代繰り返されていた。

 最後の王朝 清の例で言えば、満州族が支配層でありそれを助ける官僚は科挙により選抜された華人中心 そして支配される庶民は華人その他民族となる。そんな不平等を内在させるシステムと考えて国家・国民は対応するしかない。

 中国での立身出世は 「科挙に合格して官職を得るもしくは宦官(かんがん)で立身を得る。その結果は 一族郎党が成り上がりその利益で土地を手に入れ豊かになる」という形であり、企業家的精神とは異なる。重農主義というべき考えが支配してきたと思っている。

 拡大して考えれば 現在の共産党党員は科挙により選抜された人間と同じかもしれない。習近平も紅衛兵で親が失脚したのち下放された。共産党に入党するの20回近く申請したそうである。そんなことを考えると 共産党員が現在受けている特権・金などを手放すことはないと想像できる。

 近代までの中国は西欧をしのぐ経済発展を遂げていたが、そこから産業革命が生まれなかった。中国には「産業革命」という時代が無かったとも言われる原因もこの辺りにあると理解できる。有力者に付き従えば・・それなりの富を受け取れるような世界である。

 手工業を工業化するなど 資本・金を回して更なる利益を得るような産業革命のような形が成立しなかったからと思われる。

 中国がどこまで伸び衰えるか?それは今後の世界の姿、日本の政策を大きく左右する。歴史上、中国の成長が停滞したことは何度もある。その多くは 戦乱や異民族支配によるものであった。個人的には 繁栄から停滞へがこれからの中国に待っていると考えている。特に武力を使用して隣国などに強権を発揮しようとする行為を見ると・・ダメだと考えてしまう。今は一国のみでどうこうなる時代ではない。現在 経済制裁を受けるロシアを見ていても 分かることである。自身と世界が見えていない。

 共産主義は原始共産時代を振り返り過ぎる傾向がある。古き良き時代こそ搾取などが少なく一人一人が幸福であったと捉えていると考えている。しかし近代のロシア・中国を見ていれば・・強権を持った毛沢東・スターリンなどを生み出し、実際に人々を不幸に叩き込んでいる。強権政治を行っている習近平下も同様に変質して変わっていくと思っている。

 おじさんは共産主義自体が思想成立の仮定段階から大きな自己矛盾を持っていると思っている。中国の建国以前から共産党の中枢を歩み続け、毛沢東の秘書も務めた李鋭(り・えい)が・・毛沢東・鄧小平しか生み出せないと嘆いた一説が思い当たる。

 国内的にも 都市戸籍と農村戸籍の問題も然り、地方政府各所で存在する共産党書記と行政の長の組織の二重性などもある。自己矛盾を発生・内在させるような制度を継続しているので、中国では今以上の発展は難しいと思っている。中国が中華思想「チャイナ アズ ナンバーワン」と昔ながらの強権的なことを打ち出しているので、少し前が中国のピークと思っている。

自らの政策で元安を招き、自由な往来・投資・経営を脅かすような習近平の独裁を守っていくような公安的政策を取り続ける限り、返り咲くことはない。強権化の経済運営あまりに自由がなさすぎる。徐々に外資の工場が製造を中止し、サプライチェーンからの切り離しも進んできたようである。

共産党が利権を手放すなど そんな政策など成立しようもないので・・先も更に知れてくる。株式市場からどれほどの海外投資金が流失したのだろうか?今もじわじわと進行している。政治と経済を切り離せないようなので・・先は知れてる。

在中米国大使館がソーシャルメディアに「キリンに関する投稿」を行ったところ、コメント欄に中国経済の苦境や株価下落を嘆くネット民からの書き込みが殺到するという珍事が発生したとの報道を見た。これは中国当局がアカウントを消せないから発生したと、了解出来ずに「珍事」とする感性で書いているので・・このセンスのなさに呆れ、記事を如何なる御仁が書いたのか気になっている。

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おじさん

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