いま中国で起きていることを考えると おじさんの若い時代と同じと思われてくる。
バブル崩壊直前まで バブルでどんどん資産価値が上がり、財布の口が緩んでしまっていた。給料以上に使ってしまうのである。給料は半年もすれば上がるし、ボーナスも期末手当を含んで年3回出る。何とかなるさという空気が若い頃のおじさんを動かし・・悪行三昧(まではいかないか?)の日々を送ってしまった。
金なんぞは後から付いて来る・・ある意味 自己努力を伴わないことが抜けた怖ろしい考え方である。当然 今では若気の至りと反省している。
中国の方々の爆買いの元がこれと同じである。しかし炊飯器2台など持ち帰ってお土産にするのか?転売して稼ぐのか?と思われる風景は・・おじさんの時代の日本よりも、少し貧しいと感じていた。だが資産が増えるので 中国国民の気が大きくなっていたことに変わりはない。
おじさん中国がこれから味うのは日本以上と思っている。中国の共産党の指導者など中央政府の共産党員は地方で実績を上げて、中央に戻され引き上げられていく。従って地方政府時代に実績を築けなければ中央に帰り出世することも難しい。そうなれば地方政府に出向在籍している間には、無理してでも実績を上げなければならない。それ故 マンションなどの建設、高速鉄道延伸など 社会の要求以上のインフラを建設していく。正に「後は野となれ山となれ」で、その場限りと頑張っていく。
誰がその後始末をするのか?なかなか難しいことは 次代に先送りされる。
こんな時に習近平が2期までとした主席を無期限として権力を握った。現在の状況となる前「共同富裕」を唱え、鄧小平の豊かになるものは先にとした「先富論」を否定した。従来の路線からの完全な転換である。
これで中国は突き進むしかなくなり、退路は習近平自ら断った。後は習近平をヨイショして成り上がろうとする体制となった。プーチンの取り巻き そして軍もショイグ・ゲラシモフで固定したことと同様である。専制国家のダメダメな面を 我々は見ている。
李鋭(りえい)
先日NHKで李鋭について番組が再放送されていた。元毛沢東の秘書を務めた元幹部である。民主改革派であり、101歳まで生きて日記をつけ、番組の放送時は 娘さんがアメリカ合衆国在住であり、日記を活字化されていた。
その中で印象に残ったのが、鄧小平は主席の任期を2期と定め、権力の継続する弊害を除いた。しかし毛沢東には 悪い点もあったが、良い点がより多いと否定しきれなかった。そうして鄧小平自身の最後も 毛沢東同様「皇帝化」していった。
中国での共産党一党支配と主席の皇帝化を番組の中で批判した日記を取り扱っていた。中国特有の傾向であろうか?
少し 中国はどこに向かうのだろうかと考えてしまった。でも 「そんなの関係ない!」の一言で・・他国事であるが気にかかる。
総量規制
習近平は「共同富裕」の観点から、「住宅は住むためのものであり、投機のためのものではない」という方針を繰り返し、「三条紅線」という不動産業者の負債状況を示す3つの指標を参考にした不動産向け融資規制を銀行に課した。
日本のバブル崩壊時 橋本龍太郎元首相が行った「総量規制」と同じパターンである。日本もこの後バブルがはじけ飛んだが、中国も同様にやってしまった。多少挽回策は打ったようだが・・日本での流れを見ているので・・どう流れるかの判断はつく。時間が掛かるか否かのことである。
日本以上に地方政府各所でバブルを膨らませているので、日本よりも破裂する威力は大きいと思っている。中国政府・マスコミそしてシンパの各国マスコミなどが、「中国では日本のようにはならない」と強弁している。中国の社会システムが特殊で、お金を特定分野に無理やり振り向けることは出来るが、戦時経済のようなものである。特定の方面は好況に沸くが、多くの国民は犠牲になる。日本の如く 不況の影響を広く浅く受忍するか?一部を救いに行くかというようなことと理解している。どこかで誰かが大きく負債を引き受けないと、復活できないと思うが・・規模が大きすぎて・・無理だろうと判断している。
基本的にバブルを発生させた余剰資金は 日本では日本国民が貯め込んだ資金であるが、中国のは流入資本・資金が余剰資金の元になった。おまけにその一部をAIIBなどで開発途上国に還流し、効果を最大化しようとしたが・・・多くは不良資産として跳ね返って来そうである。
従って正しく言えば「中国は日本以上になる」ということである。