YouTubeでウクライナ南部戦線について英語で「通常ドローンを戦車攻撃に用いる」とのコメントが付いていた。しばらく見ているとサーモバリック弾をドローンに付け、戦車のエンジンルームにぶつける方法であった。

サーモバリック弾とは 燃料気化爆弾(これもサーモバリックの一種)次の世代の兵器であり、アルカリ金属などを主成分として高温を発生する。1000℃近い炎と熱で5秒ほど目的物を焼き尽くす。こうなればエンジンにモロトフカクテルつまり火炎瓶を投げられ発火したようなものである。電装系はもとより部品を溶かしてエンジンは停止する。

こうなれば装甲など破らなくても、走行を止めることが出来かつ電力を失い主砲なども打てなくなる。ジャベリンのような高価な装備などなくても、最新戦車を倒せる。どうも塹壕戦でサーモバリック小型弾を手りゅう弾の如く使用する流れで考えられたようである。昔は手榴弾であったが、火傷で出てくれば 歩ける捕虜となる。重症あるいは死なれては 戦闘終了後が大変で・・手間が掛かる。仕事でも同じであるが、戦争でも小さい得失・効率を考えている。

もちろん戦車は動けなくなり、乗員が逃げて無人になったところを再使用できないように、再度小型爆弾などを用い破壊するようである。

この方法 攻撃する側は生身を晒すことなく攻撃出来る。おまけに照準は相手をモニターで誘導するので相手を直接見ることさえもない。武器とすればこれほど安価なものもない。ジャベリンなどキッチリしたミサイルであれば 一発1千万円というところであろうが、自作神風ドローンなら20万円ほどと考えられる。

以前 人員用装甲車をドローンから小型爆弾を落として破壊される軟弱ロシア製装甲車があるとは知っていた。それが戦車ともなれば相手は2億円以上である。従来は20分の1の価格のミサイルで倒していたものを・・約20万円と1000分の1で簡易製作品で倒せるということになる。費用対効果で考えれば・・なんとも素晴らしいレベルとしか思えない。

そんな風に考えていると、攻撃的兵器がコストパーフォマンスが悪く、防御兵器がコストパーフォマンスの良い時代となったようである。また固定的に考えず、組み合わせれば変えられることは多い。大事なのは固定観念なるものを持たぬよう普段から努めることが大事なようです。

ドローンで後方からエンジンを攻撃されるようになれば、金網でエンジンルーム上に空間を作り防御など 益々戦車が不細工な外観となるのでしょう。まさに敵味方「いたちごっこ」ということです。「ああすれば こうする」とばかりに アイデアの出せる引き出しの多い方が、強いという事でもあります。

レールガン

戦車の正面装甲は・・これを打ち抜くには・・戦車砲の大きさは120mm以上などとするなど、最初から正面から戦うという固定観念に縛られなければ、世の見方を変えてくれる。

先日からレールガンなどについて書いているものなどを読んでいて、おじさん何を書いているのだろうと思う記述を見かける。

レールガンは現在マッハ7程度で弾体を発射すると言われるが、実を言えばただの小火器であるライフルでもマッハ2程度の弾体発射スピードが出せる。レールガンが距離にあまり関係なく威力があるような書き方をしているが、実際は音速で移動する弾体なので衝撃波が発生して距離に応じてどんどん減速されていく。また大気の状態により変わるのも明確である。

レールガンが距離に関係なくと思い込んでいるのは、ガンダムが宇宙で戦っているシーンなどを子供の頃に多くの方が無意識で見たからでは?と想像している。

最近は無意識に物事を見るのをどうにか減らせないかと思っているが・・中々無理があるようです。年取ると今まで見てきた際に無意識に見ていたことが多過ぎたのだろうと思います。

当たり前が 当たり前っじゃない・・修行が足りないのか?悟りはなかなかやって来ません。そうしてるうちに考えなくても良くなる歳に、なるのかもしれません。