節分の3日には恵方巻をスーパーで見たが、海苔巻きのノリの生産が最近は不調らしい。

おじさんの知り合いから 家庭菜園周囲の柵用ネット代わりに、ノリ養殖で使い終わった網を譲って頂いていたが、一昨年ノリ養殖を止められたのでそれも頂けなくなった。現在はホームセンターで専用のネットを購入して取り付けている。

辞める前に聞いたところ、カモがノリを食べる犯人らしく・・・干満の間でのノリ網が絶妙な水深の際に来るようで、対策のしようがないと言っておられた。船で見回りに行くと、カモが逃げていくとの事だった。

子供の頃は巻き簾(まきす)を少し大きくしたものを横に2枚 縦に6枚ほど並べて干していたのを、漁港付近で見かけた。子供の頃から興味津々で生きていたので、おばさんに頼んでノリを置くのを見せてもらった。ノリを溶いた容器から1合升の倍くらいの升で汲んで、巻き簾にノリの大きさの木枠を置いたところに、パシャと勢いよく流し込んでいた。水が引いた後 干し枠に止めて行く。最初は日陰で 次の日は日向と置き換えていく。

こんなことを知っているので、お土産で貰った韓国ノリは「味付け板ノリ」の失敗作と最初思ったことなどを思い出す。

時代は変わり 知人の家では自動的にノリを漉く機械と自動的に乾燥する機械を浜小屋に設置していた。網を譲っていただくための用件だったので、稼働風景は見ていない。聞くところに寄れば、ノリを透かしてチェックし、異物があれば取り除くと言う。設備投資したのに・・勿体ないと思わずにはいられなかった。

新たな敵

2日のニュースで 東京湾の異変として「江戸前のり」が激減しているとのこと。取材によればクロダイがノリを食べているらしい。養殖するのり棚の周りには防魚ネットを施し、被害を食い止めようとしていますが、活発化するクロダイは、その隙間から入り込みのりを食べるといいます。あまりの被害の大きさに、ここ数年のり養殖から手を引く人が後を絶ちません。 収入減に加え、労力のかかる防魚ネットの設置は、高齢化する漁師たちの撤退に拍車を掛けています・・・との報道であった。

クロダイか・・・何処も同じである。

ノリ養殖

昔 浦安・行徳方面で暮らしていたので、江戸川下流の船橋沖合に「ノリひび」のあったことを思い出す。現在の有明・瀬戸内沿岸さらに韓国まで浅草ノリのタネが使われている。数年前には温暖化による海水温上昇と排水浄化設備充実に伴う貧栄養化などで、ノリの色落ちと成長の悪化などの記事もあった。何処でも漁師の高齢化が廃業・生産減少を引き起こしていく。

若い世代を育成することも大事だが、サラリーマンのように定時で仕事出来るように 陸上の設備を作り、遊休地利用でノリ養殖を始める技術を開発することが課題に思えて来た。

新しいノリ養殖技術が日本の食卓を支えてくれればと思う。節分には バイトに出かけたため恵方巻は食べなかったが、今朝は焼きのりでご飯をいただいた。週に何度も繰り返すシーンであるが、ノリのパリパリした食感・・思い出しても・・たまりません。日本人とノリの関係を思うと、味は元より歴史まで、しっかり体に染みついている気がします。ノリが無くなる いや贅沢品になることは是が非でもくい止めたい。

投稿者

おじさん

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