多くの会社が挑戦している電池などでのエネルギーの保存の仕方が、これから必要な技術と思っている。大規模な揚水発電などに類することを考えて見ると、水を高所に組み上げ再度落水させ発電する。揚水発電に使う水車はポンプと発電機を共用する。昔でも おじさん学生時代にポンプメーカーに見学に行った際、効率が1%上がれば電力会社から報奨金が出るとのことで、チームは血眼の努力をしていた。
さて 近日の状況を見ていると エネルギー貯留について、ガスの圧縮・膨張など使う案が出て来ている。しかし 単純な機械的エネルギー利用だけでは効率は悪いと考えている。ブレークスルーするには規模だけがついて廻る話で収まってしまう。こう考えていくうちに現在利用しているのは、圧縮・膨張に関して機械的エネルギー利用が大半である。おじさん暇つぶしに考えていることなんだけど、圧縮・液化するガスのエントロピー変化に注目するあるいは利用するのもありではと思っている。
ガス体を液化する過程において一方的に圧縮・高温高圧液化・膨張・低温低圧液化などの断熱圧縮・膨張のみではなく、高温高圧液化・膨張の前に液体冷却を入れれば、エントロピー変化を効率的に実施できる可能性がある。メタンガスなどの気液平衡図を見ながら思った。
最近聞く 空気の圧縮・液化についても同様と考えている。単純な機械的効率に留まるだけではブレークスルー出来ない。おじさんが思いついたのは 機械工学と化学工学の中間点での考え方である。
同じような状況を某メーカーのLNG船の再液化設備で見た経験がある。運転&系統条件で実設計を手伝ったものの、設備の非効率的な運転状態に気付いてのことであった。おじさんは下請け業者でもあり、基本設計に関係することなので・・設備の運転条件に付いては何もコメントしなかった。効率悪くとも・・設計目的を果たせれば・・限られたスペースであり、液化出来れば良く 効率は悪いが実用には問題なかった。
理論上は成立しても、新たな設備を追加すればコスト高となり、運転して効率が上がり 値上がりコストを回収できることを実際に確認できなければ・・駄案となる。工業的に成立するか否かの別れ道である。
巨大風車
発電用風車の巨大化は抗うべき雰囲気もなく突き進んでいる。コストと効率を考えれば机上では当然である。
おじさんが 懸念するのはベアリング(軸受け)である。設備のメンテナンスを担当していた頃 点検時期が来てオーバーホールすると、片持ち式のブロアなどでしばしばベアリングに付いた「圧痕」が話題になった。設計荷重的には片持ちで大丈夫なのだが、停止期間が長いものではボールなどが一点に留まる期間が長く、何度か圧痕が外輪について回転中の異音がするとの連絡をオペレーターから 何度も受けたことがある。事前の予防保全としてブロアメーカーと相談し両端受けの構造に変えトラブルを防止とした。予算を使え使えのバブル時代ならではのことである。
そんな訳で 風車のプロペラの停止期間が長い場合が怖いと思う。巨大なものがスケールメリットがあるのは分かるが・・設計・ベアリングの性能が気にかかる。圧痕が付いた状態で使用すれば、レーシング面が破損し・・短期でのベアリング破損・交換を余儀なくされる。
何事もやってみないと分からない要素が大きく、どうこう言いようがない。
かまいたちの机上の空論と言うお笑い番組があるが、究極は同じである。世の中にはやってみないと!あるいは検証しないと違っていることが多い。
ベアリングを両軸受けするため、発電部の両側にプロペラを設ける2重設置も考えられるが、故障の確率が上がり、お互いの翼の影響を避けるため、頭デッカチになりコストも大きく増えると見込める。中々バランス点を見出すのは難しいかもしれない。
そんな訳で おじさんが計画すれば、実績のある中位の大きさの風車をたくさん作ると思う。多少卑怯であるが、他の実績の積み重ねを見て大型化して行けばよい。スケールなどで一番にならなくてもよい、全体を効率的で無駄が少ないことで、一番になれば良い。
記録を狙うのも ケースバイケースです。