近日の物価と賃金の流れを見ていて感じることは「江戸時代と同じようだ」との思いである。
公共料金・ビックマックあるいはランチの値段・・日本は特に安い様であるが、同様のことが江戸時代に起きている。
例えば江戸時代の茶店のお茶は 江戸時代ずーと一杯 1文であった。お茶を飲み終わった後、客は茶碗に1文を入れて立ち去れば良いことになっていた。最近の時代劇では衛生観念が違うので1文を店員に手渡しする表現となっている。また そばは二八 16文と相場は決まっていた。価格が激変した時代は幕末の坂本龍馬が活躍した時期である。
なお 価格変動は江戸時代中期にもあったが軽微であった。草鞋(わらじ)2文が4文などの記録があるが、米価は大きく変動していないようである。
こんな時代が300年近く続き、明治の世になり一気に崩れていった。そんな時代を先祖から続けて来たので、物価変動に対してあるいは賃金に関して 日本人は緩い考えを持っているようである。
江戸時代の貨幣のことを昔調べていた時に気付いたことであるが、金貨・銀貨・銅貨を使う層が身分により別れたような使い方をした形跡がある。武士は金貨 商人は銀貨 その他は銅貨である。このような江戸時代の経済の流れを見ていると、基本的に日本はデフレベース社会と思われてならない。
米騒動も江戸時代にもあったが、大きいものは資本家が育ってきた明治時代に過激になる。この辺りの経過を見ていても、金が余ればなんにでも投資していく現代投資家とはいくらか異なる。
物価上昇で効果の上がる対策は、高度成長・所得倍増時期にされていたことをするしかありません。内部留保が過去最高となった企業が給料を上げていかないと抜本的ではありません。政府が出来るのは法人税で利益を吸い上げ国民に給付するか?値上がり時期をズラス程度です。
アルバイト・年金生活者のおじさんには以前の10万円給付のようなことが理想です。物価の大変動に対応するには、最終消費者にお金を回さなければ変わることはありません。
5月の朝日新聞
マスコミが叫んでいる「悪い円安」 そういえば5月にも声高にやっていた覚えがある。
GDP、年率2.2%増から3.5%増に大幅上方修正
内閣府が8日発表した2022年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)改定値は、物価変動を除く実質で前期比0.9%増、このペースが1年続くと仮定した年率換算は3.5%増だった。速報値の年率2.2%増から大幅に上方修正した。プラス成長は3四半期連続。
個人消費も1.1%増から1.2%増になった。
共同通信2022年9月8日も同じように 日本企業の営業利益が40%も増加する凄まじい激増ぶりを見せると報道する。
円安効果で日本経済が活性化中であり 国内企業が円安などを背景に利益をふくらませている。上場企業の2022年3月期決算について全体を推計したところ、最終的なもうけを示す純利益は前年比35・6%増の33・5兆円となり、過去最高を更新する見通しだ。
売上高は前期比7・9%増の500・4兆円、本業のもうけを示す営業利益は44・8%増の37・2兆円となる見込みだ。純利益は過去最高だった18年3月期の約30兆円を上回りそうだ。
喧伝していることと検証が違うのに・・・あくまで自ら作ったストーリーに拘るのか?分からない連中である。
現在 問題なのは中小であり、大企業はそれなりに利益が上がる仕組みで動いている。それ故中小にお金が廻るようにしないと中小は潰れてしまう。コロナ関連融資が終了し、そこに数年前に仕込まれたモラトリアムの波、あるいは後継者問題が来れば・・と思うと中小は厳しいと思う。
近年の賃金低下の問題については、労働生産性の低さよりも「労働分配率の低下」の問題を取り上げる意見が多くなっている。経済のグローバル化で先進国の労働分配率は低下傾向にありますが、賃金の低下は大きく、長いデフレに陥っていたのもわが国だけです。
そろそろ労働側に経済の神様の福音・プレゼントがあっても良い時期かと思います。多分中小は遅れる方思いますが仕方がありません。
中国の鄧小平同様「豊かになれるものから 豊かになればよい」と思います。中国と違い中産階級を中心に、所得倍増・高度成長を成し遂げた日本人と日系企業の底力を信じています。
うまくいったら年金生活者にもよろしく!お願いいたします。