ロシアのプーチン大統領は3月3日、フランスのマクロン大統領と電話会談し、いかなる場合でもウクライナでの軍事作戦の目的は遂行されると表明した。
また 停戦交渉を遅らせて時間を稼ごうとする試みはウクライナにさらなる要求を突き付けることになると警告した。
そうなると国連はどうするのだろうか?ロシアがウクライナを軍事力で制圧するまで指を咥えて見てるだけとの事になるのか?
そうなったら中国が台湾と尖閣諸島に攻め込むのも同じとなると想像がつく。今回 何か国連が対策を打てず敗退した場合 あるいはプーチンが国内で打倒されたり、ロシアが経済破綻しない場合は、間違ったことを許すことになる。そして将来 同様の事態が起きることも予防できなくなる。
フランス外務省は3月3日、ロシアに滞在する自国民に対し、「不可欠な場合を除き、存続する交通手段を使って退避することを強く勧める」と発表した。ルドリアン外相も同日、仏テレビに出演し「最悪の事態が迫っているかもしれない」と指摘。情勢悪化に危機感を示した。
フランスも覚悟を決めてきたのかもしれないと思うようになりだした。しかしウクライナの健闘を祈るしかない現状である。
時間の経過
侵攻8日目の3月3日も、ゼレンスキー政権が全面降伏に応じる兆しはない。軍事専門家らは、侵攻初日に制空権を掌握できなかったことが尾を引いているとの見解でほぼ一致する。
都市攻撃も空挺(くうてい)部隊の展開が不十分で効果を上げず、露軍の地上部隊がウクライナ軍の激しい抵抗に遭う悪循環に陥っている。
米欧が侵攻開始3日目で、国際的な決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)からのロシア排除を決めた。プーチン大統領は侵攻開始前、独仏首脳と経済協力は維持する方針を確認していた。侵攻しても、独仏などが金融制裁の最終手段ともいえるSWIFT関連の措置には同意しないとみていた可能性も指摘されている。
格付け会社S&Pは3月3日、ロシアの格付けを「BBプラス」から「CCCマイナス」に引き下げた。主要国の対ロシア制裁強化やロシア政府の資本規制でデフォルト(債務不履行)のリスクが高まったとし、既に投機的水準(ジャンク級)だった格付けをさらに引き下げた。
「今回の格下げは、デフォルトリスクの大幅な高まりにつながる見込みの措置が取られたことを受けた対応」と説明した。そんな最中 死亡した兵士へ700ルーブル(700万円前後)あまり支給するとのニュースを聞き、支払われる際に インフレを考えればどうなるのと想像してしまった。
主要7カ国(G7)による新たな制限やロシア政府がルーブル防衛のために導入した資本規制が、ロシアの債務返済能力を低下させる可能性がある。同社は数日前に、ロシアの格付けをジャンク級に引き下げたところだったので、ロシア国債は引き続き「クレジットウォッチ・ネガティブ」に指定、格下げ方向での見直しを継続する。なおフィッチとムーディーズも同様である。今月半ばには国債の決済期限が来るので、はっきり効果が出て来る。ロシアも経済的タイムリミットに焦る時期になった。戦闘状態を過熱させ、早期ウクライナ戦線終結を急がないか気になる。
国連総会(加盟193カ国)は3月2日、ウクライナ危機をめぐる緊急特別会合で、ロシア軍の完全撤退などを要求する決議案を141カ国の賛成多数で採択した。決議に法的拘束力はないが、侵攻に踏み切ったロシアを非難する国際社会の政治的意思を示した。反対は5(ロシア、ベラルーシ、シリア、北朝鮮、エリトリア)、棄権は35。
戦費
兵士に食事を供給し、燃料弾薬を供給する最低限の戦費はどう確保していくのだろうか?
日露戦争当時、日本の戦費調達にあたり公債を発行して資金調達したことは有名である。戦費約18億円のうち7億円分(政府手取りベース)を海外からの借金で賄った。返済については最も古い1899年発行のポンド建て第1回四分利債は満期を1963年にまで延長したが、その後満期時に借換債が発行されて、最後の返済は日本がバブルに踊る1988年の6月のことだった。紆余曲折の経済環境そして第2次大戦を経て、満期90年近い債券となった。日本の財務的な信用を高めるために日本政府によって積極的に支払われた。おじさん当時のNHK番組で見て、「信用」について考えさせられた覚えがある。
ジャーナリストの木村太郎氏は27日、フジテレビ系「Mr.サンデー」に出演。ロシアのウクライナ侵攻について「戦争が10日続けば、ロシアは破産する」とウクライナ国防総省の情報を紹介した。
ウクライナ国防総省の試算として「ロシアは1日に150億ドルの戦費を使っている。10日続くと戦費がなくなっちゃうだろうと。だから10日頑張りゃいいんだと言い出している。そうしたらロシアは完全に破産しちゃうし、弾薬もなくなっちゃうと言っている」と紹介した。物価も安く、在庫ストックからの持ち出しも多いので、そこまでは掛からないと思うが、何十億ドル単位とは思う。
戦費調達を考えると 経済的制限から外貨公債も発行できない。そうなると ロシアは国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)240億ドル(約2兆8000億円)相当を持つ。これを現金化する道は中国当局にかかっている。ロシアはルーブルの下支えと戦費の資金源を模索する中でさらなる制約に直面する可能性がある。IMFの全加盟国は国の経済規模にほぼ比例するSDRの配分を受け、こうした資産をIMFが「自由利用可能」だと見なす5通貨と交換できる。ドルとユーロ、ポンド、円、そして2016年に加わった中国人民元となるからである。
中国の出方次第で色々あるかも知れないが、メインは時間との勝負としか思えない。