人は分からないあるいは知らないことについて 慎重であるべき時も、結構適当に対処しているのを見る。ある意味これが人間の自然な行動と思える。
何をタテにと言うか?無頓着な行動を起こす理由はなんでだろうと思った。そんな中で大きな分岐点は「体験・経験による自信のようだ」と思うようになった頃からである。逆に言えば 正しい恐れ方を知らないと最初から逃げることばかりに成ったり、突っ込みすぎたりとなる。
おじさんはビビりな性格なので取っ付きに考え込むタイプである。それ故 初めてバイクの2ストロークエンジをオーバーホールして再始動する際、分離給油のオイルの圧送不足による焼き付きを防止するため、ガソリンタンクに混合ガソリンを入れた。何度かするうちに短時間でエンジンが焼き付かないことが分かりルーズに変わって行った。
そんな事を再度考えていると 逆に慢心と言うか慣れに留まり、新しい知識に上書きするなどを怠り出した自分を感じた。そんな訳で知識・改革・考えないことを平気になった自身を変えるために、再度好奇心いっぱいで過ごすことを目標にした。
誰でも性格に合わせて 無理なく物事に挑戦すればよいと思う。やってる行動が慎重であり過ぎ、見たものが「そこまで・・」と笑うなら笑えば良いと思っている。何度も失敗を繰り返すよりはるかにマシである。そんな時は「知らぬが仏」という言葉を思い出し、心の中で唱えている。
有鉛・無鉛
おじさんが燃料会社に勤めていた頃は 各メーカーでガソリンの性状が変わっていった時代である。一番最初は出光が「金アポロ」と称して 無鉛プレミアム「出光無鉛金アポロガソリン」を発売し、当事の無鉛ガソリンとしてオクタン価98を国内で初めて実現した。無鉛ハイオクガソリンの登場が記憶にある。
おじさんが業界に入ったのは昭和50年代であり、クルマの排出ガス規制に対応するため無鉛化が検討され、無鉛レギュラーが登場し出した時期であった。若い方はご存じないと思うが「四エチル鉛」と呼んでいた「テトラエチル鉛」を添加してアンチノッキング性を高めていた。ハイオクガソリンには四エチル鉛が添加され有鉛ハイオクと銘打って販売していた。
排ガスの見直された時代でもあり、燃焼後鉛を排ガスと共に排出するので、清浄化あるいは触媒のため四エチル鉛添加は徐々に見直された。
化学式 Pb(C2H5)4 無色、油状の液体。 毒性が高く、吸入したり皮膚に接触すると神経系統がおかされ、貧血、頭痛などを起こす。 重症になると痙攣(けいれん)を起こして死に至ることもある。そう言う訳でおじさんも燃料会社に勤務しているので、直接タッチすることはないが、研修は受け資格取得させられた思い出がある。
そんな時代 エンジン付きラジコンの給油の際、近所のオヤジが給油タンクに繋いだホースを吸いながら給油する光景に驚いた。自慢のラジコン ガソリン消費量も少なく出力も大差ないがハイオクガソリンを使いこだわる。無鉛なら許容範囲であるが、四エチル鉛が入っている有鉛であることを知っている。が!否定的に言うのも・・と 言うに言えず、知らなければ良かったと言う光景である。
知らぬが仏
知れば何かと思って心もざわつくが、知らないから仏のように平静でいられる。知らぬが仏とは、知れば腹が立ったり悩んだりするようなことでも、知らなければ平静な心でいられるということのたとえである。
本人だけが知らずに澄ましているさまを、あざけって言うことばとされるが、そこまでおじさん意地は悪くない。まあ知識は適当に披露するものであると思っている。
下手に披露すれば、被害を受ける恐れがあり 良く目を逸らす癖がある。おじさん 小市民な性格である。
たまに知らないと言いながら 結構悪いことをしている方もいる。知らぬことを武器にする輩(やから)がいるので、益々面倒くさい時代と思う。