昨日11月20日のニュースで原油価格暴落のニュースを聞くと 意外に早かったので驚いた。アメリカが日本・中国などに備蓄の拠出依頼と 自らも拠出する旨の発表の影響かとも思える。追いかけるように 日本も取り崩しについてコメントを出している。
一方で石油メジャー系列記者の寄稿には、年末下がってでも・・・年明けには再度発生するなどの強気のコメントを見る。
おじさんは 先物でも 実需や精製能力そして貯蔵能力の上限まで取引が進むと、あとは値下がりしかないと思っている。コロナ後の世界経済はまだ足並みを揃えたものでなく、それなりの回復だと思っている。そのためすべての国が無理に買い進めることもない。また買いたくても価格高騰で買えない国もある。
同時にオーストリアが感染拡大で再度ロックダウンとなり、ヨーロッパでの需要低迷も予想される。毎度のことだが 変になった時は円高となり、円安方向も一旦停止のようである。これにて普段のガソリン価格 1月分ほど前の価格に下がるかな?と安心している。
ブレント原油
おじさん古いので 昔の名称は北海油田産原油(北海原油)という呼び名であったと思う。ニュースタイトルを見ながら いつの間にか変わっていることに気付た。超鈍感に生きて来ていると思ったものの、業界離れて25年たてば そんなものと理解している。ブレンドが北海と分かれば問題なし。歴史教科書の挿絵の違い程度で理解出来る。
ブレント原油はテキサスなどと同様に 良質な軽質油であり、 硫黄分は約0.4%で以下と少ない。スイート原油と呼ばれる分類がなされ、ガソリンや中間蒸留油を取り出しやすい。
日本では縁のない原油であった。日本の石油精製は後発のため、硫黄分の少ない軽質油が多く手に入らないので、分解・改質・アルキレート・脱硫など軽質油を作り出す付属設備を持つことになった。
それ故 ヨーロッパで発表されたCO2をH2と化合・合成して新たにEフューエルを作るとの発表があってもそんな事か!としか おじさんは評価しなかった。業界関係者外は日本が何とか手に入れた原油から、軽質油・白物と言われるガソリンや中間蒸留油を確保していた歴史を知らないと思う。ヨーロッパは石油メジャーの本拠地でもあり、製造上の手間など掛けなくて良かったでけである。彼らは設備投資しなくても十分な軽質油が取れていた。
ハイオクガソリン
日本のレギュラーガソリンはオクタン価が低く、ヨーロッパその他のレギュラーガソリンのオクタン価はほぼ日本のハイオクガソリンと同一である。オクタン価が高いとノッキングなどの異常燃焼をしないのでエンジン圧縮比を上げパワーを稼げるなどのメリットが多い。
もう少し正確に書けば 日本工業規格(JIS)でオクタン価が96以上のものがハイオク、オクタン価が89以上のものがレギュラーとなる。なおヨーロッパでのレギュラーガソリンは オクタン価が 95以上となる。
一応メーカー保証項目でもあり、オクタン価89は最低限であり、出荷時は92前後でブレンド出荷していた。もちろんハイオクも同じである。
考えて見れば 日本のガソリンの持つ少しの低質さが、自動車エンジンを育て、燃料の質が落ちる辺境の地でも元気に回るエンジン・車となった原因と考えれば面白い。豊かであれば、努力の必要もないことも良いと思う反面、やはり貧しく育つことも大切に思える。
・・・とは言いながら おじさんは100kmを超えたあたりからのヨーロッパ車のレスポンスを好きである。ハイオクガソリンの効果と最適化されたエンジンを体感できる。もちろん ド田舎の公道では決してやってはいけないことだが、誰にでも「若気の至り」はある。
人間貧乏で生まれ育ち、大人になって豊かになるのが良いと思う。本当の意味で多様性が理解出来る。まあ いい歳をして 金、物と言うようであればバカと思う。貧乏からバブル時期迄 楽しく過ごしたおじさんの戯言ですので、話半分で! イソップのキリギス同様 年金生活は厳しい!