以前予想はしていたが、建造を開始できない事態となっているようである。価格の基本となる鋼板の値段は環境問題が出て来て価格上昇する流れを無視した結果である。また労働者の雇用関係の労働時間制限など関連法規の改正が行われているので、人件費の上昇が見込まれるが・・・発表されている受注価格は従前と下がっているので、実際に積算計上しているかさえ怪しい。これからエンジン・補機類他の価格の動静が変われば更に怪しく厳しくなる。

労働者の数も減っているようなので突貫工事などは夢のまた夢となる見込みである。

会社首脳部が同型船連続建造によるコストカットを見込んでイケイケしていたと思われる。韓国の建造の特徴は幅の広く浅いドックに前後左右に並べ、大型ブロックで組み立てていくという形である。日本で同様の考えで作られているドックは今治造船の新居浜工場以降のものである。同時同型船建造で人の作業性単純効率化そしてコストカットの効率を上げていく。その為 船体色と煙突のマーク(ファンネルマークが呼び名)が異なるだけの船の2隻横並びの写真風景をよく見ることがある。

中国に負けたくないのも理解出来るが、大きく見込みが外れたと理解している。外れたら素早く戻してコース修正が韓国の特徴であるが・・・やはり韓国企業も大企業病化したのであろうか?

引き渡しが遅れれば大変なペナルティが来ると知っているので・・先月から受注船価は上げているようなので建造時期調整を一生懸命にすると思う。まあ頑張れとしておく。

中国ブロック工場

中国でブロックを製造しているのは韓国だけに止まらず、日本の会社なども同様である。

中国浙江省寧波市にある韓国資本の造船所が9月13日突然閉鎖を発表し、補償などを求める数千人の従業員の抗議活動を招く事態になっている。この造船所は韓国の造船大手、サムスン重工業の全額出資子会社である。当初は船体を複数のブロックに分け船体ブロックだけを製造していた。必要な原材料はすべて韓国から輸入し、寧波で船体ブロックに組み上げて韓国に再輸出した後、韓国の造船所で船体を完成させていた。この工作だけをさせるビジネスモデルが撤退の原因となった。

日本関係は現地で鋼材・原材料の手配をして完成したブロックの輸入となているので、コストが合えば継続すると見込まれる。極端な話日本国内でも中国人溶接工などが仕事をするので、いずれで作るかとの問題に近い。また多くがバルク船など技術的には昔ながらと言うブロックである。技術的に隠すような構造などがあることは無い。日本と韓国の差は日本は原材料を現地手配、韓国は原材料を輸入手配の差である。

韓国はガス船が多いので微妙に考えたことがあったのかもしれない。しかしそんな個所はフランスの会社が特許を持っているので微妙と言うには疑問が付く。

現在韓国も日本も多くの中国人労働者が働いている。もはや日本での労働単価・賃金などでは対応が無理な船舶の価格となったようである。また厳しい現場労働環境であることも事実であり、将来にも日本に必要な技術と思いながら、意義あるいい仕事とは思いながら、子供に継がせるには酷に思える。

現在も韓国・中国の受注は好調であるが、2年もすれば業績調整の為無理をしなくなり、船舶受注量が徐々に減っていくと考えられる。日本も付き合うと思うが・・・資本主義のモデル同様会社の淘汰が行なわれず、国が保護した場合は現在の受注量と同じようなことになる。

船舶受注量

クラークソン・リサーチの報告書の分析によると、先月の世界の船舶受注は328万CGTで、中国195万CGT(60%)、韓国の91 万 CGT(28%)、日本の26万 CGT(8%)とのことである。

国際海事機関(IMO)などの地球環境規制が厳しくなり、環境にやさしい船舶の需要が高まっているためである。クラークソン・リサーチによると、2023年から2031年にかけて、年間平均船舶発注は4,200万CGTになると予想されている。

この平均月間受注量は先月の受注量に少し足された程度であり、この状態が継続する可能性が高い。

2023年から、IMOのEEXIやCII規制などの脱炭素化により、更に環境に優しい船舶の需要と老朽化した船の更新の拡大が本格化すると予想される。

おじさんは 日本の造船所の更なる技術開発を待ちたいと思っている。開発できなければこの状態が続くと思われる。

最後にサムソン重工の収支表。韓国政府が協調して立ち入らないと潰れてるレベルと直ぐわかる。世界の市場を歪ませて・・・何がやりたいのと思う。

実態は事業ではない

投稿者

おじさん

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