銃を見ると黒く鈍く光っているのは 主としてパーカーライジングと言う処理とオイルによる。学生の頃 友人でモデルガンを趣味で集めていたのがいた。購入後 塗装を剥がしよく再塗装していた。おじさんが銃メーカーである工場に実習が決まったので、仕上げについての資料を頼まれ、特に詳しく資料を集めて届けた。当時はあまり銃に関する資料もなく、友人には喜んでもらった。
64式小銃は銃身内側がクロムメッキ、外側がパーカーである。メッキの際はジグで銃口を塞ぎ処理すると聞いた。加工は外注で 現場を見ていないので、栓の材質などは知らない。
豊和工業での実習の中心は機構学,材料力学、測定と検査などが中心であった。それ以外は射撃場で64式小銃の完成品あるいは試作銃の試射など結構な数を打たせてもらった。
銃が完成すると最初「強装弾」と呼ばれる炸薬量を増した銃弾で試射する。これは貯蔵された弾丸の炸薬の威力が自然増するためである。記録では炸薬量を20%増の強装弾である。これを5発発射し、銃本体の強度の確認をする。この後が・・・試射タイムとなり、お手伝いがてら結構自由に撃たせてもらった。提携先のゾウ・シカ用ライフルから64式小銃まで射撃体験した。
余分な情報かも知れないが、64式小銃にもバナナ弾倉は試作されていた。装弾量は20発が30発となるが、装着銃全体が重たくなり試作のみに終わったそうである。
当時の資料をまとめていると 銃身あるいは他の部分の材質・熱処理などもあり銃作りの参考になると考え、ブログ記事から除くことにした。悪用される方がいないとも限らない。やはり武器だけに節度を持って書くしかないかと言うのが現在の気持ちである。
例えばパーカーライジングについては30ページ近いテキストで教えられ、保管している。詳細を書いていくと、どこまで書くべきかどうかと迷う記述も多い。
パーカーライジング
リン酸塩皮膜処理(リンさんえん ひまくしょり)とは、リン酸鉄、リン酸亜鉛、リン酸マンガンなどのリン酸塩の溶液を用いて金属の表面に化学的にリン酸塩皮膜を生成させる化成処理のこと。
町の鉄工所などでも「パーカー」と言えば工場を紹介してくれる。鋼の表面処理の一つであり、表面に不溶性のリン酸塩皮膜を作り表面の腐食の進行を抑えるために行う。塗装前の鉄製品にたいしても行われる。銃ではパーカーライジング後 油(ガンオイル)塗布などで防錆する。
造船などでは油圧配管などに多用されるので、造船の盛んな地域では加工できる工場も多い。造船などの場合は内面を作動油が通るのでパーカーライジングのみ、外側には塗装を実施する。
黒色酸化被膜
黒色酸化被膜 黒染め(アルカリ黒色酸化被膜) : 苛性ソーダの水溶液に酸化剤を入れ、130~150℃ の温度で処理して、製品表面に酸化被膜を生成させ る。町の鉄工所などでも「黒染め」と言えば工場を紹介してくれる。モデルガンなどで非鉄金属を含む場合は苛性ソーダと反応するので注意されたい。