自動小銃の重要点はバネである。銃身などの強度は経験的、実験的にも計算的にもある程度の目安が立っている。普通のボルトアクションであれば連続発射は「遊底」は手動なので閉鎖にバネなどを使うことはない。使っているバネは発射後の空薬莢を飛ばす部分程度である。

アサルトライフルの設計で連射動作が問題なく出来るのは、バネ設計にあると言ってよい。

遊底の運動

弾丸を銃身の薬室に入れ、雷管を叩き弾丸を発射する。発射直後に薬莢を抜き出し空薬莢を排出。再度弾丸を掴み薬室に送り込む。遊底の運動をつかさどるのは発射に使用した火薬の燃焼ガスと反動そしてバネの力による。

弾丸薬莢の雷管部を叩く直前の遊底の閉鎖方法にも色々ある。それは後日にまとめたいと思います。

遊底は弾の発射速度に合わせ 激しく前後に動き運動をする。後進させる力は発射火薬の力、前進させる力は火薬の力を受けたバネの力で生まれる。従ってこのバネが良くないとトラブルを引き起こす。

サージング

高速でバネは伸び縮みを繰り返すと、周期的に伸び縮みが上手く出来なくなる。これをバネのサージングという。一種の共振現象であり 自動小銃の連続発射はこの現象を引き起こす。サージングが発生すれば誤装填・暴発などの原因となり、機関部不良となる。従って自動小銃でのバネの設計は 理論と実験により入念に確認されている。確実で無ければ暴発に繋がり、射手は大怪我をする。

アメリカなどで連続発射機能を取り除いたアサルトライフルのモデルが販売されている。引き金部分など機構部の改修で連発され多くの人を傷つけるなど事件に事欠かない。おじさんは ばねを弱くすれば防止出来ると思うが、メーカーは対応しないようである。遊底の閉鎖にもかかわるので安全性から踏み切らないと考えている。また新たに設計製作する場合 コストもかかるので、余計なことはしないと思う。

このバネの強さ、最初の銃弾を装填するには人間が操作するので、その力を加味してバネの強さを決める。只強いだけに出来ないのがお分かりいただければ、設計の深さを感じて頂けると思う。

投稿者

おじさん

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です