おじさんも会社を設立し 長くフリーランス同様の人生を送って来た。フリーランスと起業はワンセットみたいなものである。仕事上の費用を控除後 個人の所得を除き、会社と個人でそれぞれ納税する。税理士のアドバイスを受けながら、実効的に収入を振り分け使用する。

サラリーマンの方が明日からフリーランス・起業と言われたとしても感性がついていかないと思う。資金繰り 今月○○○万円で再来月後半まで入金が無い・・・月末締めにお金があるか?・・・給料・支払があるので・・・と日々の資金繰りストレスに潰される方が大半と思う。先ずは個人で開始し、仕事・収入を確保の後 法人設立を目指す。

サラリーマンの仕事は 会社の看板と組織がモノを言ってると理解しておかないといけない。資金繰りも他の部門がやってくれる。組織が対応してくれるので、煩わしいことは経験しない。会社が世間から認知されるようであれば、社員も世間から信用を持って迎えてくれる。

前に契約形態で書いた「フリーランスと言っても、キッチリ独立した事業者もいれば、毎日同じ職場で社員と同じ仕事をこなす労働者に近い人もいる。」労働者に近いフリーランスには求められないが キッチリ独立したフリーランスは 法人設立などまで行かないとメリットは余りない。

未来

フリーランスガイドラインが目指す未来 ガイドラインの序文に、興味深い記述がある。フリーランスに期待されることの一つが「ギグ・エコノミーの拡大による高齢者雇用の拡大」だという。人生100年時代において、企業(雇用延長)にも政府(年金)にも依存せず、「生涯現役」を実現するための処方箋として、フリーランスに注目している。

スキルや経験を活かしながら自分のペースで働けるフリーランスは、シニアにとって魅力的と思う。フリーランスとして自律的にキャリアを築けるシニアが増えれば、今より多くの人が自分のペースでイキイキと老後を過ごせるのではないかとの提案と思う。

実際のところ フリーランスという働き方が高齢者雇用にどこまで寄与できるのかは未知数である。フリーランスの収入は、会社員以上に成果主義的であり 市場価値と直結する。安定的に仕事を得て活躍するには、スキルや経験はもとより、気力と体力、そして技術や環境、トレンドの変化にキャッチアップする感度が必要と思う。

なお ガイドラインを作った方が 経営の経験などないようであり、絵に描いたとも思えてしまう。

フリーランスになれば、いつまでも自力で収入を得続けられるということはない。フリーランスにも老後はあるのだから、その備えを自助だけではなく、公助などどのように担保していくか。政府には、フリーランスの契約ルール整備と並行して、そのあたりの議論も進めてもらうことを期待している。

ベース

おじさんの経験上 フリーランスにおいてはベースとなる最低限のお金があると非常にありがたい。おじさんも厚生年金の比例分を頂き始めて大変 精神的に楽になった。年金の比例分を貰い始めた当初に 子供が大学を卒業し、就職状況により大学院に行くと聞いた時である。その際「行きたければいいよ」と答えることが出来た。当時は支給年金のカットがあったが、間もなく年金支給のカット上限所得などが変更され、大半がカットなしとなるので良いと思う。

ベースがあれば 生活であれ 仕事であれ、思い切って色々チャレンジも出来ると思う。その為 電通のリストラ・独立支援などのニュースは羨ましい限りであった。

カバン 看板 地盤

議員先生の引き継ぎの際 要素に挙げられるのが「地盤 看板 カバン」と言われる。正直フリーランスもこれに近いが順序が違う。第一に資金が潤沢あるいは短期の内に収入確保出来ないと続けることが出来ない。「継続は力」と言われるが 資金繰りがつけば問題ない。資金繰りがつかない場合は設備投資なども出来ず、人も雇えないので いくらアイデアがあっても、拡大などを続けていけない。看板・地盤を作る前にヘタってしまう。個人的に看板があれば・・・あいつがやるなら出そうかか・・・給料少なくともついて行きたい・・・と言うような、信頼を基礎にした魅力が個人にないといけない。あの会社に頼めば大丈夫と言う信頼感などでも構わない。また グループの中で 自然に先頭に立てるような資質環境がトップにないと難しい。各自与えられたグループ、チームなど 人の運に恵まれることなどいろいろあり、短時間に個人の努力だけでは手に入らないと思う。

おじさんもそうだが 田舎の中小企業のおやじさん達 地元・近所の社員が増えるのを喜ぶ方が多かった。長く営業を続け 住んで接している状況で周囲の信頼を得た証のためである。

最後に キッチリ独立したフリーランスになり努力しても 五人に一人以下しか生き残っていけないのが現実である。下手すれば ただの低賃金労働者となってしまう。まあ おじさんのように歳を取ってれば納得もするが 若ければその判断と切り替えは難しい。

先のフリーランスの定義に出て来た「毎日同じ職場で社員と同じ仕事をこなす労働者に近い人」になり、派遣社員並の処遇まで得られない場合も考えられる。その時 若年層ではフリーランスがマイナスに働く要因が大きいので、注意しなくてはいけない。