将来展望としてベーシックインカムを考えたい。

竹中平蔵氏の発信したベーシックインカムの議論が盛り上がっている。

時代に遅れてはと発言を伝えるインタビュー記事を読んでみた。

おじさんの結論は 「現状 ダメだこりゃあ」である。地獄の窯の蓋を開けるように思える。

ベーシックインカム

ベーシックインカムとは 「すべての国民あるいは市民や住民に一定の金額を、他の条件とかかわりなく、つまりお金持ちにも貧乏人にも、元気に働ける人にもそうでない人にも、政府が一定の金額を一律に給付する」というものだ。

今年5月のスペインでは、ベーシックインカムの名の下に、200万人を超える生活困窮者を対象とする現金支給政策が開始されている。

スペインの政策には受給に生活困窮などの条件が付いているので、こんなものはベーシックインカムでないという批判もある。

インタビュー内容

週刊エコノミスト誌6月2日号『コロナ危機の経済学』によれば、これまでの現金給付は、消費刺激効果がなかったと言われるが間違いだ。これは景気刺激策ではなく、生活救済策だ。10万円の給付はうれしいが、1回では将来への不安も残るだろう。

例えば、月に5万円を国民全員に差し上げたらどうか。その代わりマイナンバー取得を義務付け、所得が一定以上の人には後で返してもらう。これはベーシックインカム(最低所得保障)といえる。実現すれば、生活保護や年金給付が必要なくなる。

年金を今まで積み立てた人はどうなるのかという問題が残るが、後で考えればいい。

この発言のうち「月に5万円」の部分は、9月のテレビ番組では「月に7万円」に増額されている。

7万円

日本の生活保護の平均月額支給額約15万円 国民年金満額受給月額 約5.5万円

ずいぶん辛い数字だが この金額辺りが「生活」というよりは「生存」のための最低ラインとは言えるかもしれない。「毎月7万円をベーシックインカムとして全国民に支給」などと言われると、心配になる向きも少なくあるまい。

心配の種は、こうした政策が「働かないこと」への報奨になるのではないかという点、そして「財源」をどうするのかという点です。海外で行われた「ベーシックインカム実験」の結果などをみると、一律現金支給で人々が働かなくなるという現象は 短期的には観察されていないようです。

だからといって 今のコロナ禍という現実に対して ベーシックインカムに答を見いだそうとすること、それ自体はナンセンスではない。しかし 必要になる資金は軽く見過ごせるような規模ではない。日本の人口は1億2000万人超。

生活ではなく生存ぎりぎりラインの 1人当たり月額7万円給付でも、総費用は何と年額100兆円を超える。これは現在の一般会計規模にも匹敵する大きさである。

年金世代はツライかも

インタビュー記事には生活保護と年金をまとめて縮小あるいは廃止して財源とすることを考えているような節がある。どう考えても金額規模がデカ過ぎる。

生活保護をベーシックインカムに吸収するという話なら分かるが、年金をベーシックインカムに吸収などというのは無理がある。

厚生年金であれ 国民年金であれ、そこに積み立てられている資産は年金制度に参加していた人々が過去に積み立てた汗の結晶である。国家が人々に贈与を行うための準備資産などではない。生活保護と年金は別のものです。

「全国民に一律定額給付」などと言っているが「ハローワーク」に行った経験のある方なら思うことがある。就労意識もいい加減で 認定日で金を受けることのみを考えている人の多さである。

ベーシックインカムが 働かないことへの報奨になる可能性が 0でないと認識すべきである。

そこへ年金を突っ込まれ 将来が危うくなり 巻き添えを食らうのは考え物である。

ベーシックインカムを唱えるのなら、提唱者が財源をどう確保しようと思っているのか、年金をいじるのではなく 税制全体をどう変えようと思っているのか、それを明らかにして世に問うべきである。

所得が一定以上の人では ベーシックインカム実施後は 貰った後はボチボチ返せば良いという考えが発生する。運用して 増やそうなどと考える。

逆に 遊んでも・・・最低限保証される・・・このようになれば 人をどう働かせ 規制していくのか? さらに海外からの移民を考えると・・・受給者の増加は明らか・・・ますます恐ろしい。

モラルハザード

個人の「モラルハザード問題」が問われることが 社会生活には多い。

先日来 報道される継続化給付金の詐欺行為を見ていると、若い方の「知らなかった」で答えるモラルハザードを考えると怖いと思う。

おじさんは 「知らなかった,分からなかった」場合は「やらない,しない」のが普通と思う。

学生時代のテストで 「〇✖を付ければ・・・もしかして」「書いたら・・・点数」との考えの延長? と思ってしまう。社会評価は「減点法」を原則とすることを知るべきである。一度でもやれば・・・結果は多くの方がご存じと思う。

おじさん世代は 子供の頃から「お天道様が見てる」と育てられたので、思いもよりません。 

 

投稿者

おじさん

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