おじさんの若い頃は「会社を作るなら年収1000万円を超えてから」と言われていた。
今は消費税の関係から「会社を作るなら、年収1000万円を超えた2年後がいい」と言われる。
おじさんはこの格言は守らなかった。業務の都合上 法令で「個人では兼務禁止」に係るため、最初から無視して「法人」として始めた。
当然税金は高くなるが、営業上のメリットがあれば、次年度に望みを託せる。
「思いっ立ったが吉日」親からの格言である。
誰も 未来は解らない。怖いのは当たり前 おまけに歩き始めて 途中何度肩の荷を投げようと思ったことか・・・それが人生である。
脱マニュアル
何歳までこの会社で働くのか? 退職金はどうもらうのか? 定年後も雇用延長で働くか、独立して働くか?
年金を何歳から受け取るか? 住まいはどうするのか? 定年が見えてくるに従い、自分で決断しないといけないことが増えてきます。
会社に入って 規定類を読めば分かりますが、突如 上層部が試案を出して取締役会で承認すれば改定です。
おじさんは父から「人と同じことをして、真似た人より幸せになろうと思うのはトンデモナイ 」「人と違うから幸せにも不幸にもなる」で育ったので 人がどうかなどは考えないことが多い。
会社も役所も通り一遍のことは教えてくれても、どう決断すれば一番トクになるのかまでは、教えてくれません。
税金や社会保険制度の仕組みは、知らない人が損をするようにできています。
会社か個人で始めるか?
起業をしようと思った時に、ここで迷う人も多いでしょう。
たまには、おじさんのように 最初から迷わず会社を設立して始める人もいます。
人によっては 法人(会社)を設立して良いとこは「会社にすることで得られる信用」とも言います。
正直 法人では「オーナーの恣意性」が抑えられますので理解できます。そのため「ワガママ」出来ず後悔する人も多い。
おじさんのように若い時から始めると「万事この世のこと 何とかなる」と思うので どちらでも構わない。
定年後のことであれば失敗時の負担も軽く、年金も過半が納め終わっているので個人が良いと思う。
(1)手軽に費用をかけずに始められる:税務署に「事業の届け」のみ
(2)経理処理が簡単:複式簿記不要 現金出納帳にて青申告 税務署は許してくれる。
(3)社会保険に加入しなくていい:社員がいれば どうするかの判断は必要となる。
取引先との問題あるいは営業などに問題無ければ 会社ではなく 個人が「楽」である。
個人事業のほうが、トータルコストが安い。
スタートした事業、順調に売上がどんどん増えて 所得税より法人税のほうが安くなれば会社にすることを検討する。
会社設立の目安は、昔から 所得(儲け)で600万円くらいと言われて来た。現行は 負担の大きい消費税も加味しないといけないと思う。
書き落としているが 中年の家族持ちは 家族,所得の問題があるので、起業はお勧めしない。
正直 この不景気の中 もし再出発となれば厳しい。医者など所得回復などが可能な職業であればこの限りではない。最終的には本人の判断が優先する。
年金と保険
会社は赤字でも「均等割り」という地方税を払います。赤字で儲けがなくても、最低7万円を必ず払わなくてはならない。個人事業であれば、赤字であれば所得税はかからない。
個人事業は従業員が5人未満であれば、社会保険に加入する必要はないので国民健康保険でよい。なお従業員の処遇改善のためあるいは黒字減らし目的などで 社会保険に加入は出来る。
原則 会社は、給料をもらうのが社長1人でも、社会保険に必ず加入しなければいけません。
社会保険料は、会社と従業員が半分ずつ負担することになっています。
サラリーマンは、半分の負担で済んでいますので意識はないと思います。会社だと、自分の分は会社負担分と従業員負担分の両方を負担します。国民健康保険(約1.65万円/人)と比べて高額になります。
年金も個人事業なら国民年金となり、60歳以上は払わなくてよくなりますが、会社だと、厚生年金の保険料は70歳になるまで負担します。なお70歳が来れば健康保険のみとなります。
消費税
これが近年の判断基準の「肝」となる税金である。ルールは以前ブログでサラーと書いたが・・・読んで判らないのが普通ではあるが・・・この辺りに商売のセンスが見え隠れする要素である。
このブログの主旨が子供に伝えるためであり 平易に書いたつもりであるが・・・気づいて 突っ込んで行けたか行けなかったか。
センスが無ければ仕方ない・・・勉強あるいは訓練で手に入れるしかない。
大学受験の歴史みたいなものである。片隅に乗った細かい字の説明にも注意を払い読み込むしかない。以下に説明する。
消費税は、事業をやっているすべての人が払う訳ではない。
消費税を払うのは、2年前の売上が1000万円を超えた時からになります。
2年前の売上が基準になるので。事業を始めた最初の2年は、基準になる年がありませんから、仮に1000万円以上の売上があっても基本的には消費税はかかりません。
1年間の売上が1000万円を超えた年の2年後に個人事業を廃業して、会社を設立すると 個人事業者としては 消費税を払う必要はなくなる。
ただし 会社の資本金を1000万円以上にしてしまうと初年度から消費税がかかって来ます。
出来れば前に書いた「会社の得失」を見て考えると・・・「会社のひな型」をどうするかが分かります。
そして 新しく作った会社には 基準とする2年前の売上がないので、個人事業と同様、開業後最初の2年は、消費税はかからない。
つまり、個人事業からスタートすることで、最高4年間消費税の支払いを免れることが出来る。
消費税の負担は大きいので、この節税効果は助かります。
一般の方は余り税務署に行かれることはないかもしれません。たまに税務相談などで話し合っている途中 隣接ブースでの「未納消費税の支払い」についての音が漏れてきます。
正直 事業者の方は 消費税自体もそうですが、消費税一括納付にも苦労されています。
間もなく始まる「消費税のモラトリアム」対処のためにも、検討して置くべき事案と思います。
最後に宿題ですが おじさんが「事業の休業」をどうして選んだか・・・考えて見てください。