ハギは、『万葉集』に最も多く詠まれ、古くから親しまれてきた「秋の七草」の一つである。

マメ科ハギ属の植物の総称である。ハギの仲間は種類が多く、晩夏から秋にかけて、多数の赤紫色の花を垂枝れて咲かせるのが特徴である。

中秋の名月も良し 萩も良し 散歩途中 家の撤去後の荒地で自生している。

日本古来からの植物・・・かくも逞しく生きている。

自生種としてはヤマハギで 日本全土に自生する。栽培品種ミヤギノハギに比べて全体に繊細な印象で、花の時期になっても枝はほとんど枝垂れしない。

道端の萩

■風流に歌集

歌に鹿や雁と取り合わせて詠まれる。芭蕉の句として「奥の細道」に  一つ家に遊女も寝たり萩と月 とある。

また古今和歌集に 宮木野のもとあらのこはぎつゆをおもみ風をまつごと君をこそまて〈よみ人しらず〉とあり、陸奥の歌枕の宮城野との結びつきが強い。

■萩の月

言わずと知れた仙台銘菓である。おじさんのサラリーマン時代の仙台出張時のおみやの一つ「萩の月」である。

スポンジ皮にカスタードクリーム まさに女子供にど真ん中のストレートと 言うことなしである。

仙台名物 笹かま,牛タンそしてずんだ餅とあるが、個別包装の菓子としては萩の月以外ないという状況である。

ネーミングも「仙台」「宮城野」「萩」「月」と流れるような品の良さに感心する。

ここ十年以上 仙台に行ってないので新しいおみやがあれば知りたい。

■萩

山口県北部の日本海に面する市。

江戸時代 毛利三六万石の城下町であり、幕末多くの志士を輩出した。

城下町の形態を残し 松下村塾,高杉晋作旧宅なの史跡がある。

また萩焼,土塀の中の夏ミカン栽培,水産加工が盛んである。

食べる話ばかりで恐縮であるが 暑さ厳しい中 旧宅巡りに歩いた後の駐車場での「夏みかんソフト」なかなか良かった。

■萩とイノシシ

昔から不思議に思っていたのだが 花札の7月の絵柄は 萩にイノシシである。

なお 7月は旧暦のため1月と15日ずらせば 9月末から10月上旬でしょうか?

このように(萩と猪)の組み合わせは、どちらも縁起が良いモノ同士の組み合わせですが、他の組み合わせではダメだったのか?

時を超え師と仰ぐ 吉田兼好の徒然草・第十四段に次の一文があります。

【和歌こそ なほをかしきものなれ。あやしの賤(しづ)・山がつの所作(しわざ)も、いひ出でつれば面白く、恐ろしき猪(い)のししも、「臥猪の床(ふすいのとこ)」といへば、やさしくなりぬ】

要約すれば 萩=臥猪の床(ふすいのとこ)と知られる。臥猪の床とは、猪の寝床のことです。

凶暴な野生の獣も萩や萱を倒して、寝床にして身を休めるという事です。

投稿者

おじさん

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です