孫のカブト飾りを見に行くことになって 子供と出かけた。関西方面では ひな人形同様に嫁の実家が届けるのが習わしである。関東以北では長男であれば、婿側の実家が届ける地域もあるので確認しないといけない。
最近のトレンドは「鯉のぼり」は部屋で飾る「吊るし雛」ごときものとなり、庭先・ベランダなど屋外モデルは廃れているらしい。五月人形もほとんど飾らないようである。子供によれば マンションでは 部屋干し洗濯物に埋もれるとのことで、大きさと部屋の広さの兼ね合いとなるらしい。
お姉ちゃんの「ひな人形」と大きさを揃えてやらないと可哀そうだし、押し入れ・クローゼットスペースとの兼ね合いもあるようで・・子供も悩むと言っていた。
結局その場では購入せず、サイズ確認のみとなり 再度子供の旦那と相談の上となった。
もちろんおじさんは お手柔らかにお願いしたいものと思っています。
映え
カブト飾りを見たのだが、昔と違い色使いなどは派手派手。例えば「マエダテ(クワガタ)」の表面にコテコテのデザインがされている。おじさん子供の頃から定番は金属板を切り抜いたような形で、表面にはツルツルで何もデザインはなかった。
オマケに表面にコテコテが無ければ、仮面ライダーに出てきそうな3次元的形状になっている。まさに「映え命」に目的が絞られている。
時代考証的には 戦国時代は当世具足と呼ばれ、それ以前の鎧と大きく異なる。弓から鉄砲、集団戦と戦い方が変わり、カブトは集団の中で武将を目立たせるものとなった。目立っていることが前提であった。マエダテを大きくするため材質は紙を漆で固めるなど軽量化された。
戦国時代の武将(伊達政宗・加藤清正・徳川家康・本多忠勝など)は大きいマエダテを備えながら、目の斜め上にある防護用の吹返(ふきかえし)は小型化した。ところが「映え命」の前に武将モデルと言いながら、吹返は室町鎌倉など同様の大型のものに変えられて、ピカピカになっている。
知らない方なら 鎧の形にこだわりなし。時代はオタクから「ばえ」に変わった。おもちゃが子供だましの究極と考えていたが、今や大人だましまで進化している。
収納
脇のものである弓刀の飾りも飾り台収納を前提に超小型にデフォルメされている。背後の飾り板なども畳んで仕舞える。段ボール収納箱に飾り台を入れ、その上に置くことが出来るとのことである。従って背後の飾り板も分割収納を考えた形である。
偶然 板の表面を触ったのと艶などから見て、人工漆のカシュー塗料ではなく水性塗料がぬられているようであった。極端な言い方をすればべニア塗装に龍などのペンキ絵と了解してよい。
正直に言えば この辺り仕様を変え、昔の如く復古されたら、おじさんでは手の届かない値段になる。程々で結構と思う。飾って10年ほどである。もちろん売り場には100万円を超えるものもあったが・・おじさんなどの庶民には過ぎているし、飾る場所もない。