再生エネルギー推進との話が溢れるが、失敗していることへの報道が少ない。
トヨタがEV化を発表したが、俯瞰的視点を元に発展方向とマイナス方向を同時に発表してきた。ヨーロッパが自らの持つ技術と政治力を戦略に融合させて、人々を誘導するように出て来たので仕方がないのだろうと思う。
現在ヨーロッパが受けている試練を知れば、どう動くべきか判ると思う。時代劇に出て来るヤクザが良く言う「二足の草鞋を履く」の形でエネルギーを考えるべきである。
ただ真面目一方で進むだけでは・・・はずれた時の保証はない。その辺りから政治家の力量と思う。また我田引水型マスコミのコメンテーターにも反省を促したい。こんな時代こそプロフェッショナル・トークが必要である。
ヨーロッパはジィーゼルエンジンの時と同様に、EV時代を目指しているように思える。自らの実力を思惑で伸ばそうとする。正直見ていて ドンキホーテが化け物と見做した風車に突っ込んでいくようにも思える。丁度と言っては底意地悪い言い方であるが、現在のスペインと同じ状況である。物事にリスクヘッジを考えておかないといけないことの参考と思う。
スペイン
スペインはヨーロッパで再生エネルギーの優等生とされてきた。自前でエネルギーの大半を用意できればハナ高ものである。現在そのスペインが泣いている。風車による再生エネルギーの回収が上手く行かず発電コスト上昇に悩んでいる。
ドンキホーテがサンチョパンサと共に旅した途中 風車を怪物として突撃したことを思い出す。ドンキホーテが 巨人と見立てて戦ったとされる風車は今は使われていない。観光スポットとして日本人の団体がよく寄るらしく、案内人は、お金、お金とわめいて、風車小屋への入場料を要求されるという。
12月5日週のスペイン・ポルトガル電力共通市場におけるスペインの電力の卸売価格はスポット(随時契約)で1メガワット当たり平均185.3ユーロ(約2万4000円)と、この1年で4倍近くも上昇したことになる。固定価格から自由化したことも響いた。
スペインの電力危機は風力発電の不調に起因するとされる。スペインの電源構成のうち風力発電が占める割合は2019年時点で20.4%と、EU27カ国中6番目の高さを誇る。
今夏のヨーロッパは風が弱く、各国の風力発電は軒並み不調に陥ったが、風力発電への依存度が高いスペインはその影響を色濃く受ける形となった。
同様の天候不順に見舞われ、太陽光他がダメで 天然ガスの争奪戦をしたのがベルギー・ドイツなどである。
日本
今年の春先 新電力で高額電気代の話もあったが、行政に泣きついたことなど遥か昔のように思っているかもしれない。電力の自由化注意しないと消費者は大きな負担を背負うことになる。現在スペインで起きている電気代高騰はほぼ日本と同じ構造で起きている。
ヨーロッパは地続きなので隣国から電力を融通できるが、日本は無理である。スペインなら映画タイトルではないが ピレネー(山脈)を越えてフランスから電力を得ることが出来る。日本で電力不足が発生した場合はスペインどころではない。
最近 多くの電力会社が経営方針を転換し、再生エネルギーにシフトを表明している。それ故 訳の分らない人々がうごめくことを恐れている。リスクの正しいかけ方を考える機会になればと思っている。