人間の仕事などに対する第一歩は 先輩諸氏・親方などの仕事を見て覚えるのが基本である。見て覚えようとするモデルは 癖の強い人間を選ばない様に注意しながら選ばないと言いけない。要は真似をすれば 危険な癖が付くあるいは はた迷惑である場合なども発生するからである。
例えば 消火器などを使う姿勢では 消火器を体の側方においてレバーを引くことが大事である。粉末消火器などはレバーを引くと、消火器内部の炭酸ガスカートリッジの封印を針が破り消火器内部に圧力が掛かる。この際 消火器の管理が良いと大丈夫だが、屋外に置かれて 管理も悪く底板と側面が錆びていると底が抜けて吹っ飛ぶ。体の正面でレバーを引けば飛んだ底板が地面で跳ね返り自身の体に当たる可能性もある。体の正面で直立に置いてた場合は 反動で消火器本体が体に向かって来る。そんな対策として 体の側方に本体を置いてレバーを引く。静岡の手筒花火を側方に構えるのと同じである。消火器も定期的に検査されているが・・万全 つまり100%安全ではないと配慮するのである。使用法は・・もしかの場合も安全な方法を身に着けるのが大事である。なお おじさん消防設備士資格を持つので・・書いたことを ゆめゆめ疑ってはならない!
このように 道具の一寸した使い方次第で安全の確率が上がるので、出来ればキッチリと組織だって教えられた方から習うのが良い。しかし どこにでもそういう方がいるとも限らないので、多くの人の動作を観察しながら・質問しながら 良い点を盗ませていただくのが大事である。そんな理由から「仕事は見て覚える」が基本と思っている。
自動車修理工・職人の世界の話に近いが 車のタペットなどを調整して締め付ける際には 最終で締め付けるレンチの角度まで 締め付けトルクの影響が出ない様に考えて工具を使う。これなどは勝手気ままに独習して来た職人にはないセンスである。またレーシング仕様の車のエンジンのオイル交換さえも、エンジンが市販車と異なり オイル交換時の空気の逃げまで考えていないので、吹きこぼれたりする。下手な整備工に任せるにはしばしば問題が発生する点である。その辺りが現場だけで育った職人と 大手のメーカーなどで整備をして来た職人の育ちによる要素が大きい。宮大工と大工では細かいところが違うようなものである。
おじさんの子供の頃 土方の爺さんから、栗石の選び方並べ方など幼稚園児であったおじさんに丁寧に教えてくれた。まあ おじさんの自宅での基礎工事であり、おじさんはじいさんの仕事を傍でずっと見ているので話してくれたと思っている。そんな話を60年以上経っても覚えている。
徒然草に「先達はあらまほしき」とある一方で、シリコンバレ―での先端技術の開発では「許しは後から」と 先端を切ってやってしまってシェアを取って・・その後 多少他人の権利を犯した場合もあるので 後で謝るとはことが多いとは理解はしている。そんな遣り切る世界も理解している。しかし そんな中で大事なことは一緒に仕事をする人たちとのコミニケーションであり、そう言いう世界での関係は「見て覚える」しかない。 人によっては 許される人間がいる場合も稀にあることを知らない訳ではないが・・そんな生き方しないほうが 実際に楽と思えるし、道を誤ることも無いようである。
まあ 生きていくのは難しい