アメリカでトランプの目指していた減税法案が上下院で議決され、トランプ大統領が署名して発効したとのことである。上院では賛否同数の50対50となり、議長の副大統領の賛成で可決となったおまけ付きである。

 アメリカに製造業が帰ればアメリカの貿易赤字が無くなると言うような流言飛語の如きことを信じているのであろうか? 今までの アップルが台湾企業に発注して台湾企業は中国工場で生産して他国に輸出する。最も利益を得ているのはアメリカ企業であり次が台湾企業 そして最低利幅は中国企業である。

 史上最大の減税と旗を振りながら・・生まれた負債はどう始末していくのか?と楽しみである。絵に描いたようなことを信じて驀進するアメリカが怖い・・おじさんとすれば 饅頭怖いと同じニアンスである。トランプが日本に自動車輸入を求めているが、正直 馬鹿デカいアメ車は日本で自由に乗り回すのは無理である。使用に不自由のないヨーロッパ車並みのサイズとなっていない以上は 日本での普及は無理である。

 アメリカが他国に関税を掛けて アメリカ国内で生産するとは限らない。正直そうなると信じて突き進むことに違和感を覚える。例えばアメリカ企業のボーイングは他国から部品を集めて アメリカ国内で最終組み立てを行っている。これに他国からの輸入に伴う関税が乗れば・・・そんな関税を掛けないヨーロッパのエアバスに コスト競争で負けて・・敗れるのは明らかである。自分たちが最もおいしい所を食べるための工夫をして来たことの多くが仇になる。魚と同じで 頭から尻尾まで利益を食べることは出来ないのを理解していない。

 今 中国などブリックスではアメリカを除いた自由貿易体制の構築の話が出ている、インドは逆にアメリカ製品に関税を課す事態となっている。アメリカ国民は短期的には減税で物価上昇分を消すことが出来るが、このままいけば 国内での物品の価格は高止まり状態となる。10年間でおよそ3兆4000億ドル、日本円にして490兆円余り、財政赤字が拡大するとの試算を公表している。

 これだけの金をアメリカが輸出産業から稼ぎ出せればよいのだが・・日本とアメリカ間での自動車輸出のこれまでの何十年もの経過を知っていれば、無理と判断している。自分を変えようともしない・変わらぬものを助けることは・・無理がある。膨大な財政赤字を抱えながら、今まで通り アメリカ国債を発行するしか手がない。金利もタップリ付けないと売ることも難しい。キッチリ アメリカ国民自体がインフレに向き合わないと変われないのかもしれない。

 何十年も昔の間隔でアメリカ経済を動かそうと言うトランプ・・・江戸っ子の良く言う「一昨日(おととい)来やがれ!」と言われそうなことに気付かない「田舎者」である。トランプは ツイッターで公文をフライング公開・・関税は25%となるようですし・・日本がいかに正論を吐こうとも アメリカの終着点は変わらない。

なくまで待とう時鳥(ほととぎす)かな?

投稿者

おじさん

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です