E―FUELとの名称で内燃機関を残すためでEUで唱えられた考えであるが、日本でもエネオスが二酸化炭素と水素からパイロット合成プラントの運転に成功した様である。ガソリンなのでC4以上C10前後の炭化水素合成に成功したのである。まだ構造異性体・飽和不飽和までの製品性状の発表はないが、いずれにしても内燃エンジンで使えることになる。後はオクタン価を整えるために 環状などオクタン価調整用物質の合成とブレンドで調整出来ればよい。

 二酸化炭素は発電設備などから排出したもので十分で,あまり出所を問わなくても良いが、水素は出来るだけ環境にやさしいものを使えれば良い。商船三井などからは 洋上を走る帆船に水力タービンを付けて電気を得て、電気分解により水素を発生させ回収・貯蔵するなどのアイデアも出されている。またオーストラリアの砂漠に太陽光パネルを並べて発電。発生した電力で水素発生回収し水素を運ぶというアイデアも千代田化工建設とエネオスがタイアップして研究していた。基本グリーン水素を利用すれば環境に対する負荷が小さくなる。現在は産油国などで天然ガスからブルー水素を作るなどもしている。ブルーにしてもそのままでメタンを燃焼あるいは大気放出するよりも 環境には優しい。理想ありきで突き進むなど大雑把な考えで進めるのではなく、その得失・特性を考えた進め方をする時代である。

 例えば 時期尚早期にEVバスを導入し、冬季の寒冷にバッテリーの放充電・能力が低下して 人を運べないなど本末転倒となった北欧・スイスなどがある。まだバッテリーの進化は途上であり、いかに効率よく組み立てるかなどのシステム管理能力も伸ばさないといけない。またバス・大型トラックなどは駆動部にトルクを必要とするので・・燃料電池・バッテリーよりも水素エンジンの方が出力を取り出し易い。これから将来は 一律キャンペーンのような簡単な考えで進めることは難しい。いかに運用すれば トータルとして地球にやさしくエネルギーを利用出来るのか・・そんな知恵の集合になると思っている。

 以前書いたがトヨタのアクアでのトヨタが駆動用バッテリとして搭載した「バイポーラ型ニッケル水素電池」など 目的に合わせて再生の難しいリチウムバッテリーを避けるなどの工夫もある。いかにうまく組み立てて人の役に立てることを考える時代である。

正解は一つだけじゃない。

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おじさん

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